日本大百科全書(ニッポニカ) 「荒川静香」の意味・わかりやすい解説
荒川静香
あらかわしずか
(1981― )
フィギュアスケート選手。神奈川県鎌倉市出身(生まれた所は東京都品川区の関東逓信病院)。2006年のトリノ冬季オリンピックにおいて、フィギュアスケート女子シングルで金メダルを獲得した。
1歳のときに仙台市に移住、東北高等学校から早稲田大学に進学、2004年(平成16)同大学を卒業した。スケート歴は、5歳のとき、遊びにいったスケートリンクで同年代の子供が上手に滑るのを見て興味をもったことから始まる。小学校に入学してから、本格的にフィギュアスケートを開始、小学3年で3回転ジャンプを習得するなど、天才ぶりを発揮した。中学校時代の1994年から1996年にかけて、全日本ジュニア選手権で3連覇を果たし、注目を集めた。1994年には国際大会(トリグラフトロフィー)にも出場、その後も世界ジュニア選手権に3回連続で出場する。1997年にジュニアからシニアに移り、同年日本選手権に優勝した。1998年には長野冬季オリンピックに出場し13位、また初出場となった世界選手権では22位にとどまったが、日本選手権では2連覇を果たした。2002年のソルトレークシティ冬季オリンピックには出場できなかったが、2003年のユニバシアード、冬季アジア大会に優勝した。その後も、国内、国際大会でつねに好成績を維持、とくに2004年のドイツ・ドルトムントで行われた世界選手権では3回転を連続で決めるコンビネーションジャンプを披露、技術点で満点となる6.0を獲得、ワールドチャンピオンに輝いた。2006年2月にはトリノ冬季オリンピックのフィギュアスケート女子シングルに出場、ショートプログラム、フリースケーティングともに自己ベストの得点で、金メダルを手にした。同大会では日本選手の成績が伸び悩むなか、唯一のメダルであった。彼女の得意技であるイナバウアー(足を広げて、つま先を外側に向けて滑るもので、同時に背中を大きく反らすのが荒川選手の特徴)もいっきに有名となった。同年5月プロに転向した。
[編集部]