菅山寺(読み)かんざんじ

日本歴史地名大系 「菅山寺」の解説

菅山寺
かんざんじ

[現在地名]余呉町坂口

大箕おおみ山の山頂近くにある。大箕山と号し、真言宗豊山派。本尊不動明王。「興福寺官務牒疏」によれば、大箕山おおみやま寺とも称し、天平宝字八年(七六四)照檀の開基、寛平元年(八八九)菅原道真中興という。また本尊五智如来・阿遮羅明王、鎮守白山権現天満天神の両社、僧房一五〇宇・承仕二〇口・衆徒一七口・末寺七〇余とある。元亀二年(一五七一)八月菅原光任の記した菅山寺縁起(寺蔵文書。以下同文書は省略)によれば、道真の中興により伝法秘密の修法をなす威徳いとく院など三院、道真寄宿の信寂しんじやく坊など四九坊と塔・鐘楼を配した伽藍が整備された。天暦九年(九五五)白山妙理権現と天満天神を勧請、もと鎮守熊野・吉野・山王の三社権現と合せ五所権現とした。建治元年(一二七五)当寺専暁が七千余巻の経典を宋より請来、経蔵に蔵した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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