改訂新版 世界大百科事典 「華清池」の意味・わかりやすい解説
華清池 (かせいち)
Huá qīng chí
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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中国、陝西(せんせい/シャンシー)省臨潼(りんどう)県の南、驪山(りざん/リーシャン)の山麓(さんろく)にある温泉保養地。温泉の歴史は古く、周の幽王、秦(しん)の始皇帝、唐の玄宗など、いずれもここに離宮を営んだ。楊貴妃(ようきひ)が湯あみしたことは有名で、そのさまは白居易(はくきょい)の『長恨歌(ちょうごんか)』にも歌われている。1936年、蒋介石(しょうかいせき/チヤンチエシー)が張学良(ちょうがくりょう/チャンシュエリヤン)軍に捕らえられた西安(せいあん)事件が起こったのもこの地で、驪山の中腹には捉蒋亭(そくしょうてい)がある。現在の水源は4か所、水温は43℃、水量は豊富で、民衆の保養所としてにぎわっている。
[吉村 怜]
…温谷とは《山海経(せんがいきよう)》にあらわれる温源谷ないし湯谷であって,そこは太陽が登るところであるという。〈温泉は水滑(なめ)らかにして凝脂に洗(そそ)ぐ〉と《長恨歌》にうたわれた唐の玄宗と楊貴妃のロマンスにいろどられる華清池の温泉も,がんらい秦の始皇帝と神女がたわむれていたとき,始皇帝がいたずらをすると神女がつばを吐きかけて瘡(かさ)を生じ,あやまったところただちに温泉を湧出させたという伝説を伴う。六朝時代以後にさかんに制作された地方志には温泉にかんする記述がすくなくない。…
※「華清池」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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