漁業の網漁具のうち、定置網類の一種で、垣網、登り網、袋網(箱網)の3部からなるもの(瓢(ひさご)網類)と、登り網の前部に魚群がたまる囲網(かこいあみ)(運動場)が加わって4部からなるもの(狭義の落し網)とがある。この網の特徴は、魚の通路を遮る垣網で誘導された魚群が、直接またはいったん囲網に入ってから、上り傾斜のついた漏斗(ろうと)状の登り網を通って袋網に落ち込む仕組みにあり、袋網だけを揚網して漁獲する。登り網と袋網が垣網の両側にあるものを「両落し」、片側だけにあるものを「片落し」とよぶ。また、魚の入り口が垣網の両側にあるものを「両口」、片側だけのものを「片口」という。囲網のないものを瓢網類、囲網を有するものを狭義の落し網と分類するが、袋網を複数取り付け、さらにその先に金庫と称する溜(たまり)網を取り付けている落し網もある。囲網に底網(敷(しき)網)はなく、袋網は底網を有している。溜網の底網は、海底に着底しないよう水深の半分程度または水深の3分の1程度の深さに設計され、さらに天井網を取り付けることができる。比較的沿岸性の小形の魚類(アジ、サバ、イワシなど)を捕獲対象とする場合の端口(はぐち)は両口構造とし、大形回遊魚(ブリ、マグロなど)を漁獲対象とする場合の端口は片口構造とするのが一般的である。
落し網は技術的にもっとも進んだ定置網で、現在の定置網のほとんどがこれである。規模や形はさまざまで、ことに小型落し網は、小台(こだい)網、ちょこ網、瓢網、角(かく)網など名称も地方によって異なる。また、底建(そこたて)網を改良した登り網を取り付けた落し網、およびこれと底建網を併用した中層定置網、底層定置網があり、これらには天井網を取り付ける。
[添田秀男]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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