葛野流(読み)カドノリュウ

デジタル大辞泉 「葛野流」の意味・読み・例文・類語

かどの‐りゅう〔‐リウ〕【葛野流】

能の囃子はやし大鼓おおつづみ流派の一。江戸初期に活躍した葛野九郎兵衛尉定之を祖とする。

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精選版 日本国語大辞典 「葛野流」の意味・読み・例文・類語

かどの‐りゅう‥リウ【葛野流】

  1. 〘 名詞 〙 能楽囃子(はやし)に用いる大鼓(おおつづみ)一流。江戸初期の葛野九郎兵衛正之からはじまる。

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改訂新版 世界大百科事典 「葛野流」の意味・わかりやすい解説

葛野流 (かどのりゅう)

能楽大鼓方流儀の一つ。現在,能楽協会に20名弱の役者が登録され,東京金沢を中心に活躍している。音楽構造は比較的複雑で,装飾的な手組(リズム,パターン)が多く,曲の要所に特殊な替(かえ)の手組を打つことも少なくない。また幸流(こうりゆう)小鼓と折りあいがよく,幸流に合わせてヌク地,切ル地といった替の地を打っている。流祖葛野九郎兵衛尉定之は素人の出身だったが,豊臣秀吉徳川家康にその才能を認められ,徳川秀忠の代に公儀に召し抱えられた。江戸時代は主として観世流の座付(所属)であった。明治期に入り9世九郎兵衛定睦の後宗家は絶えたが,津村又喜が大鼓三名人の一人として活躍し,その弟子川崎利吉(後の川崎九淵)も,名人として幸流小鼓方の幸祥光(よしみつ)と共に長く囃子界をリードした。現在はその弟子の瀬尾乃武(のりたけ)(1899-1997)が宗家を預かっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「葛野流」の意味・わかりやすい解説

葛野流
かどのりゅう

能の大鼓方の流儀名。流祖は徳川家康に仕えた葛野九郎兵衛尉定之 (1588~1657) 。川崎九淵吉見嘉樹,亀井俊雄ら,東京で名手を多く出している。瀬尾乃武 (のりたけ) のあと亀井忠雄が宗家預りとなった。

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