蓮台寺跡(読み)れんだいじあと

日本歴史地名大系 「蓮台寺跡」の解説

蓮台寺跡
れんだいじあと

[現在地名]栗東町下鈎

天台宗で、浄光山と号する。本尊薬師如来。「興福寺官務牒疏」によれば、金勝こんしよう寺二五ヵ別院の一つで、天平一九年(七四七)宣教の開基という。空海の弟子真雅が貞観元年(八五九)再興とある。天和二年(一六八二)の紀年銘のある寺蔵梵鐘に、延暦八年(七八九)最澄の草創、本尊も最澄が一刀三礼して刻んだとある。長享元年(一四八七)足利義尚近江出陣に従った正親町三条実望が同寺を陣屋としたが、同年一二月二日三条西実隆が彼の陣屋を訪れている(実隆公記)


蓮台寺跡
れんだいじあと

[現在地名]北条市本谷 蓮台寺

粟井あわい川中流右岸の山裾にあった。八葉山と号し、真言宗醍醐派。本尊は阿弥陀如来寺谷の光徳てらだにのこうとく院末寺であった。古くは八葉山上品院蓮台寺と号したという。現在は荒廃して寺跡を残すのみである。

開基年代は不詳であるが、中興開山秀雅の没年が寛永一〇年(一六三三)七月一八日であるところから、中世起源の寺院であると推定される。


蓮台寺跡
れんだいじあと

[現在地名]高知市蓮台

蓮台にあった、古代に創建されたと思われる寺院跡。「土佐州郡志」は「今無之、観音堂及諸堂址、蓋古蓮台寺境内、又有古蹟墓」とある。吸江ぎゆうこう寺蔵の鐘の銘(蠧簡集拾遺)に「蓮台寺 天暦十年二月之頃鋳陶鍾矣」とあり、「蠧簡集拾遺」は「土佐郡有蓮台寺村、寺亡久矣、此鐘足以知創建之旧耳」と注している。蓮台寺の詳細はまったく不明だが、天正一七年(一五八九)の地頭分地検帳には「大ハウヤシキ」(大坊寺床)二七代二歩がみえ、この地の近くに「堂ノナロ」として「堂床久荒」、「タニノホウ」に「ワキ坊分」「中ノ房ヤシキ」「イワ本房ヤシキ」「岡ノ坊ヤシキ」「寺使ヤシキ」がみえ、この地が蓮台寺であったとされる。


蓮台寺跡
れんだいじあと

[現在地名]守口市大久保町五丁目

ひがし村の北東部、黒原くろはら(現寝屋川市)近くにあった真言宗寺院で、明治維新後無檀・無住で廃寺となった。現在墓地のみ残る。旧高旧領取調帳によると当寺の除地は三二〇坪。墓地には元和元年(一六一五)頃よりの歴代住職と、当地の豪家中西家の墓塔がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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