(読み)ナズナ

デジタル大辞泉 「薺」の意味・読み・例文・類語

なずな〔なづな〕【×薺】

アブラナ科越年草道端などに生え、高さ10~40センチ。葉は羽状に裂けている。春、白い小さな4弁花を総状につけ、三味線ばちのような形の実を結ぶ。春の七草ななくさ一つで、若葉食用三味線草ぺんぺん草 新年 花=春》「一とせに一度つまるる―かな/芭蕉

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精選版 日本国語大辞典 「薺」の意味・読み・例文・類語

なずななづな【薺】

  1. 〘 名詞 〙 アブラナ科の二年草。各地の路傍原野などにふつうに見られる。高さ三〇センチメートルぐらい。葉は羽状に深裂し根ぎわに密生する。春から初夏にかけ、茎頂に総状に多数密集した小さな白い四弁花を開く。果実は扁平で三味線の撥(ばち)に似た倒三角形。春の七草の一つで、早春、若葉をゆでて食べる。漢名、薺。ぺんぺんぐさ。《 季語・新年 》 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「み園生のなづなのくきも立ちにけりけさの朝菜に何を摘ままし」(出典:曾丹集(11C初か))

薺の語誌

( 1 )挙例の「曾丹集」によって、朝の菜として食したことがわかる。ただし、この詞書には「三月終」とある。
( 2 )「万葉集」には見えず、八代集でも「拾遺集‐雑春」の「雪を薄み垣根に摘めるからなづななづさはまくのほしききみ哉〈藤原長能〉」の一首が見えるだけであるが、これは「なづさふ」を導き出す序詞なので、平安前期は和歌の景物、春の七草という意識はなかったらしい。
( 3 )その後、和歌に用いられる時は「摘む」物として取り上げられ、平安後期になって「君がため夜ごしにつめるなな草のなつなの花を見て忍びませ」〔散木奇歌集‐春〕のように、七草の一つと考えるようになったらしい。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「薺」の解説

薺 (ナズナ)

学名Capsella bursa‐pastoris
植物。アブラナ科の越年草,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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