改訂新版 世界大百科事典 「藤原貞敏」の意味・わかりやすい解説
藤原貞敏 (ふじわらのさだとし)
生没年:807-867(大同2-貞観9)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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平安初期の雅楽家。藤原氏京家の3代目藤原継彦の第6子。琵琶(びわ)の名手で、仁明(にんみょう)・文徳(もんとく)・清和(せいわ)の3代の帝(みかど)に仕えた。838年(承和5)遣唐使准判官として唐に渡り、琵琶の名人廉承武(れんしょうぶ)(劉次郎とも)から『流泉(りゅうせん)』『啄木(たくぼく)』『楊真操(ようしんそう)』などの秘曲を伝授される。翌年、玄象(げんじょう)・青山(せいざん)という琵琶の名器を携えて帰国、朝廷に献上し、また『賀殿(かでん)』の曲も琵琶譜で持ち帰る。奈良時代以来用いられていた琵琶の記譜法と調弦を日本的に修正して貢献し、琵琶の祖といわれる。伝授された『琵琶諸調子品(しょちょうしぼん)』1巻が現存する。
[橋本曜子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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