藤城清治(読み)フジシロセイジ

デジタル大辞泉 「藤城清治」の意味・読み・例文・類語

ふじしろ‐せいじ〔ふぢしろセイヂ〕【藤城清治】

[1924~ ]影絵作家。東京の生まれ。昭和22年(1947)、人形と影絵の劇団「ジュヌ‐パントル」を結成し影絵劇などを上演雑誌「暮しの手帖」に掲載した影絵が人気となり、その後は書籍挿絵絵本など、多く作品を手がけた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤城清治」の意味・わかりやすい解説

藤城清治
ふじしろせいじ
(1924― )

画家、影絵画家、影絵劇作家。東京に生まれ、慶応義塾大学経済学部を卒業後、中学時代より好んでいた絵の道に進む。1946年(昭和21)、人形と影絵の劇団「ジュヌ・パントル」を創設、影絵劇などの上演を開始。48年、『暮しの手帖(てちょう)』誌に載せた影絵イラストレーションの成功を手始めに、邱永漢(きゅうえいかん)作『西遊記』(1958~60)の挿絵などで評価を高める。セロファン紙やプラスチックフィルターを切り抜き、それに背後から光を当てて構成する藤城の影絵挿絵は、夢幻的な美しさにあふれ、大衆の支持を受けた。この仕事の一方、劇団を率いての縫いぐるみ人形劇や影絵劇などの児童劇活動にも、多くの力を注いでいる。劇団名は、1952年に「木馬座(もくばざ)」と改称したが、72年、木馬座は解散し、ふたたび「ジュヌ・パントル」とした。

上笙一郎

『『藤城清治影絵画集』(1977・講談社)』『『藤城清治影絵の世界――シルエット・アート 作品とその技法』(1983・東京書籍)』『『藤城清治影絵劇の世界――シルエット・プレイその歴史と創造』(1986・東京書籍)』『『ヨーロッパの教会 藤城清治スケッチ集』(1994・日本基督教団出版局)』『『藤城清治――影絵はひとりぼっち』(1997・日本図書センター)』『『光と影の詩人藤城清治の世界』別冊太陽(2000・平凡社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤城清治」の解説

藤城清治 ふじしろ-せいじ

1924- 昭和後期-平成時代の影絵作家。
大正13年4月17日生まれ。昭和22年影絵劇団「ジュヌ・パントル」を結成。23年「暮しの手帖」での影絵のイラストが注目され,テレビや映画,絵本で活躍。57年から影絵劇の海外公演もおこなう。ほかに,ぬいぐるみ人形劇も手がける。平成5年山梨県に影絵美術館を開館。11年児童文化功労者賞。東京出身。慶大卒。

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