蘭越(読み)らんこし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蘭越」の意味・わかりやすい解説

蘭越(町)
らんこし

北海道西部、後志(しりべし)総合振興局管内の町。日本海に面する。1954年(昭和29)南尻別村(みなみしりべつむら)が町制施行して蘭越町改称。JR函館(はこだて)本線、国道5号、229号が通じる。町名はアイヌ語のランコ・ウシカツラの木の多い所の意)からの転訛(てんか)。チセヌプリイワオヌプリなどニセコ火山群の南麓(なんろく)にあたり、町域の中央を尻別川が西流する。尻別川沿いに水田が開け、良質米を産するほか、畑地ではジャガイモ、アスパラガス、イチゴ、トマトなどの栽培や肉用牛の生産も行われる。尻別川からはヤツメウナギアユ漁獲もあり、河口ではコンブ・アワビ漁業が行われる。林野面積が広くチップ材の生産も多い。ニセコ南麓は昆布川(こぶかわ)、湯本などニセコ温泉郷温泉があり、ニセコ積丹小樽(しゃこたんおたる)海岸国定公園域。面積449.78平方キロメートル、人口4568(2020)。

[瀬川秀良]

『『新蘭越町史』(1999・蘭越町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「蘭越」の意味・わかりやすい解説

蘭越[町] (らんこし)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁磯谷郡の町。1954年南尻別村が蘭越町に改称,町制。人口5292(2010)。北部はニセコ火山群が連なり,中央を日本海に注ぐ尻別川が北西流する。中心市街はJR函館本線蘭越駅付近にあり,国道5号線が通じる。1882年ころから尻別川流域へ石川県などから集団入植があり,開拓が進んだ。主産業は尻別川の谷底平野での稲作農業で,良質米を多産する。また尻別川でヤツメウナギ,アユを漁獲する。ニセコアンヌプリ山麓の昆布温泉湯本温泉,目国内(めくんない)岳山麓の新見温泉(正苦味泉,70℃)など多くの温泉に恵まれ,ニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部をなす。またチセヌプリスキー場があり,山スキーが楽しめる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「蘭越」の意味・わかりやすい解説

蘭越[町]【らんこし】

北海道磯谷(いそや)郡の町。函館本線が通じる。北部はニセコ火山群や雷電山をひかえ,ニセコ積丹(しゃこたん)小樽海岸国定公園の一部で,昆布(こんぶ),湯本,新見などの温泉や多くのスキー場がある。尻別川が東西に貫流し,米などを産する。449.78km2。5292人(2010)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android