日本歴史地名大系 「湯本温泉」の解説
湯本温泉
ゆもとおんせん
慶長一五年(一六一〇)の検地帳には記載はないが、寛永二年(一六二五)検地において、初めて湯坪役石として五石一斗二升を高請した。大寧寺由来書(「注進案」所収)によると、応永年間(一三九四―一四二八)大寧寺三世定庵が住山の頃「当国の一宮住吉明神、老翁の身を現し室に入て法を問ふ、(中略)菩薩戒を受け後に宗要を究む、応永丁未定庵和尚信衣を以て付属す、明神重ねて老翁の身を現して曰、他日山後に温泉を湧出して灌浴に便りせん、是則ち法乳の洪恩に酬ひ奉ると云終て十丈余の大竜と化し、法衣血脈を戴き雲に乗じて去る云々、温泉初俵山に湧出す、寺を去ること六拾丁、灌浴に便悪しく合山是を愁ふ、温泉移て寺の東に湧く、山門に近きこと六七丁云々」という温泉の起源伝承を記す。
湯本温泉
ゆもとおんせん
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報