虎の巻(読み)トラノマキ

デジタル大辞泉 「虎の巻」の意味・読み・例文・類語

とら‐の‐まき【虎の巻】

中国、周時代の兵法書「六韜りくとう」の虎韜ことうの巻による語》
兵法の秘伝書
芸道などの秘事秘伝を記した書。
講義などの種本。また、教科書にある、問題解答などが書いてある参考書あんちょこ。とらかん。
[類語]参考書あんちょこ副教材副読本指導書ワークブック

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故事成語を知る辞典 「虎の巻」の解説

虎の巻

兵法や芸事などの秘伝が書いてある本。転じて、教科書に出ている問題の答えが載っている本。教科書ガイド。また、広く参考書のこと。

[使用例] 現代のいわゆる常識や科学知識のいかなる虎の巻を引っくり返して来てもとうてい歯が立ちそうにない[夢野久作ドグラ・マグラ|1935]

[由来] 中国古代から伝わる兵法の書、「六韜」のうち、「とう」という巻が兵法書の代名詞として使われるようになったことから。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「虎の巻」の解説

虎の巻
(別題)
とらのまき

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
虎之巻
初演
嘉永3.9(江戸河原崎座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の虎の巻の言及

【トラ(虎)】より

…また,鞍馬寺には《鬼一法眼兵法虎之巻》なるものがある。〈虎の巻〉は今日では秘伝や物事の奥義を書いたものをいうが,もとは中国古代の兵法書《六韜(りくとう)》の1巻〈虎〉巻に由来するという。《義経記》によれば,一条堀河の陰陽師鬼一法眼(きいちほうげん)が所持していた兵法の秘伝を,源義経が法眼の娘の手引きにより盗み出した。…

【新歌舞伎十八番】より

…7世市川団十郎は〈家の芸〉18種を〈歌舞伎十八番〉と制定した後,自分自身の得意芸18演目を集めて〈新歌舞伎十八番〉の選定を企てた。《虎の巻》(《鬼一法眼三略巻》の奥庭の新演出,1850)と《蓮生物語》(《熊谷陣屋》の後日譚《堺開帳三升花衣》の新演出,1852)の2作を選んで没したので,その子9世団十郎が残り16種を選定。なお〈十八番〉を〈おはこ〉の意として,さらに演目をふやし合計32種を含ませた。…

※「虎の巻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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