虎目石(読み)トラメイシ(その他表記)tiger's eye

日本大百科全書(ニッポニカ) 「虎目石」の意味・わかりやすい解説

虎目石
とらめいし
tiger's eye

アルカリ角閃(かくせん)石の一種であるリーベック閃石riebeckiteの、針状結晶繊維状集合(これをクロシドライトcrocidoliteとよぶことがある)を石英が交代した鉱物。鉄が酸化されて全体が黄褐色になっている。繊維状構造のため光彩が変化し、虎の目のようにみえるところからこの名がある。リーベック閃石が一部残って藍青(らんせい)色を帯びるものは、これとは別に鷹目石(たかめいし)(ホークスアイhawk's eye)ともよばれる。おもに南アフリカオーストラリアの変成層状鉄鉱床中に産し、飾り石として利用される。

松原 聰]


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改訂新版 世界大百科事典 「虎目石」の意味・わかりやすい解説

虎目石 (とらめいし)
tiger's eye

石英中にソウセン(曹閃)石の繊維状組織が平行な層状に混入したもの。このためにキャッツアイと同じ変彩効果を示し,また褐鉄鉱(水酸化鉄)の含有によって黄褐色を呈するので,虎目石(タイガーズアイ)の名称をもつ。モース硬度7,比重2.65,屈折率1.54。産出量が多く,安価な宝石として,カフスボタンなど,おもに男性用装身具に使用される。本来の青色のものは鷹目石(ホークスアイ),日本では青虎目石の名で呼ばれる。黄褐色の石は熱処理すると赤虎目石となる。また酸処理による脱色石(ヌキ虎という)や,さらにそれを各色に染色した染色石(ソメ虎という)もつくられている。
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最新 地学事典 「虎目石」の解説

とらめいし
虎目石

tiger’s eye

クロシドライトと呼ばれるリーベック閃石の一種の針状結晶の繊維状集合体を石英で充塡ないし交代したもの。一部は原鉱物のままでいるため青色を呈し,一部はFeの酸化によって黄褐色になっているため,全体として美しい黄金褐色を示す。さらに,繊維状の集合によって変彩効果が現れ,虎の目状を呈するのでこの名があり,飾り石として広く使われる。青色,灰色を呈するものもある。主産地南アフリカ。

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参照項目:クロシドライト

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百科事典マイペディア 「虎目石」の意味・わかりやすい解説

虎目石【とらめいし】

繊維状角セン石を石英で充填(じゅうてん)または交代したもの。カボションカットするとあざやかな変彩を示す。黄〜褐色。宝石,飾石に用いられるがキャッツアイ(猫目石(ねこめいし))より低廉。主産地は南ア共和国。
→関連項目キャッツアイ

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世界大百科事典(旧版)内の虎目石の言及

【キャッツアイ】より

…その他トルマリン,アパタイト,ベリルなど多くの宝石にこの効果を現すものがあり,おのおの石名を冠して何々キャッツアイと称する。石英中に石綿の繊維状組織が平行な層状に混入したものも,同様な光の効果を現し,タイガーアイ(虎目石)と呼ばれる。【近山 晶】。…

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