蛍火(読み)ホタルビ

デジタル大辞泉 「蛍火」の意味・読み・例文・類語

ほたる‐び【蛍火】

の発する光。 夏》「―や疾風はやてのごとき母の脈/波郷
小さく残っている炭火
「―大事そうに挟み上げて」〈一葉われから〉

けい‐か〔‐クワ〕【蛍火】

蛍の光。ほたるび。
篝火は、里余の間に散列して、点々―の如く」〈竜渓経国美談

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蛍火」の意味・読み・例文・類語

ほたる‐び【蛍火】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 暗やみの中で蛍の発する光。けいか。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「多(さは)に蛍火(ホタルヒ)の光(かかや)く神」(出典日本書紀(720)神代下(兼方本訓))
  3. 小さく消え残った炭火。多くタバコ盆の火にいう。ほたる。
    1. [初出の実例]「烟草盆 ほたるび」(出典:楽屋図会拾遺(1802)下)

けい‐か‥クヮ【蛍火】

  1. 〘 名詞 〙 ( ほたるの尾部の発光を火と考えたところから ) ほたるの尾部の火。ほたるび。
    1. [初出の実例]「蛍火乱れ飛んで秋已(すで)に近し、辰星早く没して夜初めて長し〈元稹〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
    2. [その他の文献]〔晉書‐車胤伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「蛍火」の読み・字形・画数・意味

【蛍火】けいか(くわ)

蛍の光。〔晋書、車胤伝〕家にして常には油を得ず。夏には則ち(れんなう)に數十の螢火(い)れて以て書を照らし、夜を以て日に繼ぐ。

字通「蛍」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android