蝶ヶ岳(読み)ちようがたけ

日本歴史地名大系 「蝶ヶ岳」の解説

蝶ヶ岳
ちようがたけ

堀金ほりがね村の西方にそびえる標高二六六四メートルの山。安曇あずみ村との境に位置している。古生層からなるため、その山容は北隣の常念じようねん岳や大天井おおてんじよう岳に比してなだらかな形をしている。初見は、正保年間(一六四四―四八)国絵図(上田市立博物館蔵)で、山名の由来を「信府統記」は「此蝶ケ岳ハ春季ニ至リ積雪漸ク消ユル時、其形恰モ蝶ノ羽ノ形ニ似タレバ因テ此名ヲ付シタルモノナリ、是日請ケニヨルカ故ニ年々異ナル事ナシ」と伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蝶ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

蝶ヶ岳
ちょうがたけ

長野県西部、北アルプスの南東部にある山。標高2677メートル。北部の大天井(だいてんじょう)岳、常念(じょうねん)岳などとともに常念山脈を形成する。松本盆地に臨み、梓(あずさ)川によって隔てられる穂高(ほたか)岳の前山にあたる。山頂は古生層の粘板岩硬砂岩からなる。山名の初見は正保(しょうほう)年間(1644~1648)の国絵図。山名の由来は、6月初旬の残雪が蝶の形にみえることによるといわれる。上高地(かみこうち)から徳沢、長塀(ながかべ)山を経る登山コースがあり、頂上からの槍ヶ岳(やりがたけ)、穂高岳の展望はすばらしい。

[小林寛義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蝶ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

蝶ヶ岳
ちょうがたけ

長野県北西部,飛騨山脈の前山にある山。標高 2677m。東麓安曇野 (あずみの) から仰ぐと,雪どけで現れる岩肌が蝶の形に似ているところから名づけられた。古生層の粘板岩や硬砂岩から成り,稜線はなだらかである。中部山岳国立公園に属する。

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