行止(読み)こうし

精選版 日本国語大辞典 「行止」の意味・読み・例文・類語

こう‐しカウ‥【行止】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 行くことと止まること。また、実行と不実行。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「夜業車夫〈略〉通宵闇を縫ふて行止(コウシ)、彷徨、客を待ち、獲物を尋索し歩くなり」(出典最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉二四)
    2. [その他の文献]〔孟子‐梁恵王・下〕
  3. たちいふるまい。おこない。品行徳行行状
    1. [初出の実例]「烏藤誰製杖、行止任人情」(出典:玩鴎先生詠物雑体百首(1794)杖)

いき‐どまり【行止】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 道などの行く手がふさがっていて、そこから先に行けないこと。また、その場所。ゆきどまり。
    1. [初出の実例]「『さきはいきどまりか』と問へば」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)五)
  3. 物事がそれ以上進行しなくなること。また、極限に達すること。また、その状態。ゆきづまり。
    1. [初出の実例]「ばかばかしいの行留(イキドマ)りじゃアござりやせんか」(出典:人情本・明烏後正夢(1821‐24)初)

ゆき‐どまり【行止】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 行く手がふさがって、それ以上は先へ行けないこと。また、その所。いきどまり。ゆきづまり。
    1. [初出の実例]「行々しどこが葛西の行留り」(出典:俳諧・文化句帖‐元年(1804)四月)
  3. 物事がそれ以上先に進まないこと。また、物事の極限に達したこと。極点。いきどまり。ゆきづまり。
    1. [初出の実例]「戸籍の法さへ丈夫に立ときは、先の行泊り無き故」(出典:政談(1727頃)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「行止」の読み・字形・画数・意味

【行止】こう(かう)し

進退動静。〔孟子、梁恵王下〕行くは之れを(せ)しむる或(あ)り、止まるは之れを尼(とど)むる或り。行止は人の能くするに非ざるなり。

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