行過ぎる(読み)ユキスギル

デジタル大辞泉 「行過ぎる」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐す・ぎる【行(き)過ぎる】

[動ガ上一][文]ゆきす・ぐ[ガ上二]
通り過ぎる。いきすぎる。「行列神社の前を―・ぎる」
目的の所よりも先へ行く。いきすぎる。「―・ぎて戻る」
度を超して物事をする。いきすぎる。「―・ぎた干渉」
[類語]上回る超える超す過ぎる追い越す追い抜くはみ出す凌ぐ超過する突破超越凌駕過剰オーバー

いき‐す・ぎる【行(き)過ぎる】

[動ガ上一][文]いきす・ぐ[ガ上二]ゆきすぎる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「行過ぎる」の意味・読み・例文・類語

いき‐す・ぎる【行過】

  1. 〘 自動詞 ガ上一 〙
    [ 文語形 ]いきす・ぐ 〘 自動詞 ガ上二段活用 〙
  2. ある場所を通って先へ行く。通り過ぎる。通過する。
    1. [初出の実例]「からうじていきすぎて、走井にて、破子などものすとて、幕ひきまはして」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  3. 目標を通り過ぎて先まで行く。ゆきすぎる。
  4. 度を越して事をする。ゆきすぎる。
    1. (イ) 常識的な行ないからはずれる。分を越えたふるまいをする。
      1. [初出の実例]「劉伶を抑下して作たは、あまり超越していきすきたと云て論じたぞ」(出典:四河入海(17C前)二)
    2. (ロ) 知ったかぶりや出すぎたことをする。通人ぶる。
      1. [初出の実例]「あいつがつれでの、いきすぎた口をきくやつよ」(出典:洒落本・南閨雑話(1773)怖勤の体)
    3. (ハ) 意地がつよすぎる。張りがありすぎる。
      1. [初出の実例]「此所でなる程いき過て、男ふるほどの女郎よべ」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)五)
    4. (ニ) 態度がなまいきである。
      1. [初出の実例]「おとなくれたる恋心、物思ひ顔もいきすぎたり」(出典:浄瑠璃・曾我五人兄弟(1699頃)一)

ゆき‐す・ぎる【行過】

  1. 〘 自動詞 ガ上一 〙
    [ 文語形 ]ゆきす・ぐ 〘 自動詞 ガ上二段活用 〙
  2. 通りすぎる。通過する。いきすぎる。
    1. [初出の実例]「二人行けど去過(ゆきすぎ)難き秋山をいかにか君が独り越ゆらむ」(出典万葉集(8C後)二・一〇六)
  3. 目的地よりも先へ行く。いきすぎる。
    1. [初出の実例]「行き過ぎてもどる人あり藤の花〈李流〉」(出典:俳諧・俳諧新選(1773)一)
  4. 度を越えた行動をする。でしゃばる。おせっかいをやく。いきすぎる。
    1. [初出の実例]「又今時の小むすこは、とかくゆきすぎて、しゃれたがるものなるが」(出典:洒落本・傾城買四十八手(1790)しっぽりとした手)

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