コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

超越 ちょうえつ transcendence; Transzendenz

7件 の用語解説(超越の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

超越
ちょうえつ
transcendence; Transzendenz

内在に対する哲学,神学用語。神が現実世界をこえてその外にあるとか,対象が人間の意識の外に,あるいは意識と独立に存在すると考える場合などがその例。ラテン語 transcendensは元来スコラ哲学における用語で,アリストテレスの 10範疇のなかに包摂されない存在の属性をいう。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

ちょう‐えつ〔テウヱツ〕【超越】

[名](スル)
普通に考えられる程度をはるかにこえていること。ずばぬけていること。「人間の能力を超越した技術」
ある限界や枠をはるかにこえていること。また、その物事からかけ離れた境地にあって、問題にしないこと。「時代を超越した作品」「世俗を超越する」
《〈ドイツ〉Transzendenz》哲学で、
㋐人間一般の経験や認識の範囲(次元)外にこえ出ていること。
カント哲学では、あらゆる可能的経験をこえた、超感性的なものについての認識を超越的といい、超越論的先験的)と区別した。超絶。
現象学では、意識内在に対し、自然的態度に付着する意識超越をいう。
順序をとびこえて高い地位につくこと。とびこすこと。ちょうおつ。
「数のほかの四の宮に―せられ」〈保元・上〉

ちょう‐おつ〔テウヲツ〕【超越】

ちょうえつ(超越)4」に同じ。
「次男宗盛中納言にておはせしが、数輩の上﨟を―して」〈平家・一〉

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

ちょうえつ【超越 transcendence】

もろもろの類genusを超え出るものを意味する,中世スコラ哲学・神学の重要な概念。ふつう〈一unum〉〈真verum〉〈善bonum〉などが〈超越(するもの)transcendens,transcendentia〉と呼ばれ,〈ものres〉〈或(あ)るものaliquid〉〈美pulchrum〉などが加えられることもある。超越理論の歴史は〈在るもの〉と〈一〉とをめぐるアリストテレスの形而上学的思索にまでさかのぼり,新プラトン主義哲学,およびその影響を受けたキリスト教およびイスラム思想家たちによって発展させられたが,その体系的解明は13世紀において,とりわけトマス・アクイナスによって成就された。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

ちょうえつ【超越】

( 名 ) スル
普通の程度をこえ、すぐれていること。とびぬけてすぐれていること。 「一人だけ-した力を持つ」
俗事にこだわらないこと。 「世俗を-している」
順序などをとび越えること。とび越えて高い位などにつくこと。ちょうおつ。 「あまつさへ又数のほかの四宮に-せられ/保元
〘哲〙 〔ドイツ Transzendenz〕
何ものかを超え、その外または上に位置すること。世界の創造主として世界を超えている神、意識によって定立されるのではなくそれから独立する存在など。
カントでは、感性的直観により経験することができない超感性的なもの、現象に対する物自体をいい、超越についての認識を「超越的」と呼んで「超越論的(先験的)」とは別のものとする。
ハイデッガーでは、現存在(人間)が、諸々の存在者を超えて存在そのものに開かれてあること。
▽↔ 内在

ちょうおつ【超越】

ちょうえつ(超越) 」に同じ。 「数輩の上﨟を-して/平家 1

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

超越
ちょうえつ
transcendence 英語 フランス語
Transzendenzドイツ語

超越とは、ある領域を超え出ること、または超え出ていることで、当の領域内にとどまる「内在」に対立する。また超え出た先の領域に存在するものも、超越もしくは超越者とよばれるが、その内容は超え出られる領域がどのような領域であるかによって種々異なる。
 キリスト教では、神は世界から超越した超越神であって、世界の外にあって無から世界を創造し、それを維持していく超越因と考えられる(これに反してスピノザなどの汎神(はんしん)論では、神は世界のなかにあって世界を規制する内在因である)。さらにキリスト教では、信仰の領域は人間の知力の及ぶ合理的認識の領域を超えるものとされ、そこから、たとえばグノーシス派は、超越的な神を認識するのに、合理的知識とは異なる神秘的な知識、すなわちグノーシスの必要を説いた。
 また、超え出られる領域が感覚を通じて現れる現象界である場合は、感覚によってはとらえられず、ただ理性によってのみ知られる世界が超越界であって、たとえばプラトンのイデア界がそれにあたる。
 近世に入ると、人間の意識を基準として意識内の内在と意識外の超越とが区別されるが、その際意識の外に超越するものを認めないですべてを意識内の表象に還元するのが内在主義で、その極端な形式が唯我(ゆいが)論的な観念論である。他方、意識外の超越を認めて意識からの対象の独立を説くのが、素朴実在論に始まる各種の実在論で、唯物論もこの系列に属する。[宇都宮芳明]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の超越の言及

【カトリシズム】より

… だがカトリシズムの〈カトリック性〉は思想内容を指示する言葉として理解することも可能である。それは,日常的経験,科学的探求,神秘的観想,神的啓示など,いかなる経路,方法を通じて到達されたものであろうと,およそすべての真理にたいしてみずからを根元的に開こうとする態度を核心とするところの思想であり,一言でいえば〈超越〉の思想である。〈神の死〉を自明の前提とする〈内在主義〉――唯物論,観念論,進化論,自然主義の諸形態をふくめて――が人間を最高の存在へたかめるのにたいして,カトリシズムは人間が〈創られたもの〉〈神のかたどり〉であることの自覚から出発し,そこに人間の卑小と偉大,悲惨と栄光を読みとる。…

※「超越」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

超越の関連キーワードDVORAK配列終止形蓋然蓋然的市販創案早計並大抵法外楽観

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

超越の関連情報