衣手森(読み)ころもでのもり

精選版 日本国語大辞典 「衣手森」の意味・読み・例文・類語

ころもで‐の‐もり【衣手森】

  1. 山城国葛野(かどの)郡にあったという地名。現在の京都市西京区松尾近くか。歌枕
    1. [初出の実例]「山姫や着て故郷へ帰るらん錦とみゆるころもでのもり」(出典:重家集(1178))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「衣手森」の解説

衣手森
ころもでのもり

古来歌枕として著名であるが、故地については諸説ある。寛文年間(一六六一―七三)成立の「扶桑京華志」に「衣手ノ森在松尾与嵐山之間」と記され、「京羽二重」「雍州府志」「名所都鳥」なども同じく、松尾大社とその北西にあたる嵐山との間にあるとする。延宝七年(一六七九)成立の「京師巡覧集」にも

<資料は省略されています>

とある。

一方、貞享元年(一六八四)成立の「菟芸泥赴」は「松尾の南の森とぞ一説に松尾の前の河原ありし洪水に流がれて跡もなしといへり然ども衣手里衣手小野有猶可尋之」とし、正徳元年(一七一一)の「山城名勝志」には、「衣手森小野里(夫木集山城)衣手山伊勢国也松尾社家説云衣手森元在(松)尾社東衣手社坐其内然洪水漂流而森木絶而為河原社今松尾本社南側坐小社是也」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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