代理権がないのに代理行為をしても、本人に対して効力を生じない(無権代理として無効)。しかし外観上代理権があるかのごとくみえるときには、その外観を信じた相手方を保護する必要がある。そこで民法は、このような場合を表見代理として、本人に効力を及ぼすこととした。表見代理には三つの場合がある。一つは、代理権を授与した旨を表示した場合(民法109条)で、たとえば、自分の名前を使って取引することを許した場合などがその例である。他は、代理人が権限外の行為をした場合(同法110条)で、たとえば、10万円の取引の代理権を与えたのに50万円の取引をするなどがその例。最後は、代理権の消滅後に代理行為をした場合(同法112条)で、たとえば、代理人が任期満了後に取引をするなどがその例。これらの場合、相手方が代理人に代理権ありと信じ、そこに正当な理由があれば(善意・無過失)、代理権があったと同様の効果が生じる。
[淡路剛久]
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…しかし,追認をするか否かは被偽造者の自由である。追認をしない場合には,被偽造者は責任を負わないのが原則であるが,この場合でも,(1)相手方が偽造者に被偽造者名義の手形行為をする権限があると信じ,相手方がそのように信じたことについて正当な理由があるときなどには,被偽造者は,表見代理の法理(民法109,110,112条)の類推適用により,手形上の責任を負わなければならない(1964年および68年の最高裁判決)。また,(2)偽造者が被偽造者の被用者であって,手形の偽造がその事業の執行につきなされたときは,被偽造者は民法715条の使用者責任の法理により,手形の所持人に対して損害賠償責任を負う(1961年の最高裁判決)。…
…無権代理でも一定の要件を備える場合には,相手方の信頼を保護し,取引の安全を図るために,本人がその責任を負うべきものとされている。これを〈表見代理〉という。 表見代理には大別すると3種のものがある。…
※「表見代理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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