西安寺跡(読み)さいあんじあと

日本歴史地名大系 「西安寺跡」の解説

西安寺跡
さいあんじあと

[現在地名]玉東町西安寺 宮元

西安寺川左岸の丘陵上の白山比神社一帯にある。「国誌」によると真言宗、延応元年(一二三九)相良頼景建立とし、「一統志」は北条時頼の建立といい、「事蹟通考」所収の相良系図の頼平の項には同年に「大護山真言院西安寺」と号する寺を建立したとある。跡地に建つ五輪塔の銘文などから、中世に当地一帯を支配した山北相良氏との深い関係が知られる。山北相良氏は、元久二年(一二〇五)相良長頼人吉ひとよし庄地頭職を得たのち下向した弟頼平を祖とする。


西安寺跡
さいあんじあと

[現在地名]王寺町舟戸二丁目

大和川左岸、舟戸ふなと神社付近にあった古代寺院。西安寺は久度くど寺とも号し(太子伝玉林抄)、聖徳太子建立四七箇寺院の一つに数えられ(法空抄)、「類聚国史」仏道部天長一〇年(八三三)閏七月二九日条に「太政官処分、在大和国広湍郡西安寺俗号久度宜令僧綱摂之」とある。仁安三年(一一六八)の大和国大原吉宗田地売券(筒井寛聖蔵東大寺文書)に「在広瀬郡久戸十条寺岡一里卅五坪西安寺」とあるところから、舟戸神社境内が寺跡と考えられる。字西安寺があり、付近から白鳳・天平から鎌倉時代にかけての瓦・塔心礎が出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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