西寧(読み)セイネイ(英語表記)Xī níng

デジタル大辞泉 「西寧」の意味・読み・例文・類語

せいねい【西寧】

中国青海省省都。同省北東部、黄河支流の湟水こうすい沿岸にあり、交通要衝化学機械などの工業が行われる。シーニン人口、行政区85万(2000)。

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改訂新版 世界大百科事典 「西寧」の意味・わかりやすい解説

西寧 (せいねい)
Xī níng

中国,青海省北東部の市。青海省の政府所在地。人口85万(2000)。毛織物,農業機械などの工業が発達している。西方は青蔵高原の牧畜区すなわちモンゴル族やチベット族居住区に通じており,東の農産物と西の羊毛皮革製品の交易がさかんである。青蔵自動車道や蘭青鉄道などの起点でもある。そのため,全省の政治・経済の中心をなす。また,市は黄河支流の湟水(こうすい中流右岸にあり,湟中ともよばれたことがある。漢代には西の高原地域は異民族羌(きよう)の住む地で西羌とよび,市の西寄りに臨羌県が置かれた。後漢には西都県にかわり,西平郡の治所となった。隋代には湟水県が置かれたが,唐にはいりチベット系の吐蕃(とばん)によって廃止された。西寧の名は宋代に設置された州に使われたことに始まる。清には県となり,民国成立後,1944年市に昇格した。この間,明・清には陝西省,民国当初には甘粛省に区分されたが,1928年,青海省設置とともに分属し,省政府が設けられた。
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百科事典マイペディア 「西寧」の意味・わかりやすい解説

西寧【せいねい】

中国,青海省の省都。青蔵・甘青・寧樹公路が通り,あるいは起点となっている。蘭青(蘭州〜西寧)・青蔵(西寧〜ラサ)鉄路に沿い,青海,新疆,チベットなどの奥地交易の大中心地をなす。農畜産品,食塩を集散し,近年は毛織物・乳製品工業が特に発展している。青海大学,青海民族学院などがある。南西のタール寺(塔爾寺または金瓦寺)はラマ教チベット仏教黄帽派の開祖ツォンカパの生地。92万人(2014)。
→関連項目青海[省]

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世界大百科事典(旧版)内の西寧の言及

【青海[省]】より

…面積72万1500km2,人口481万(1995),1地区級市,1地区,6自治州からなり,さらにこれらが43県級行政地域(4市轄区,2市,30県,7自治県)に区分されている。省都は北東部の西寧(せいねい)市。
[自然]
 青海省はほぼ全域が青蔵高原に属し,北は祁連(きれん),西は崑崙,南はタングラ(唐古拉),東は西傾山などの各山脈に囲まれる。…

※「西寧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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