親長卿記(読み)ちかながきょうき

改訂新版 世界大百科事典 「親長卿記」の意味・わかりやすい解説

親長卿記 (ちかながきょうき)

室町時代の公卿甘露寺親長(1424-1500)の日記。多くの古写本が存在する。親長の半生にわたる1466-98年(文正1-明応7)の日記であるが,中でも1466年中世最後となった大嘗会に要する費用について,室町幕府との折衝模様を詳記しており,また上下賀茂神社の伝奏であったため,両社社司や氏人の訴訟に関する記事が多い。有職故実蹴鞠にも造詣が深く,室町後期の公家武家の研究に最適である。《史料大成所収
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百科事典マイペディア 「親長卿記」の意味・わかりやすい解説

親長卿記【ちかながきょうき】

室町時代の公家である甘露寺(かんろじ)親長の日記。記事は1470年から1498年までの本記と別記からなるが,一部が応仁(おうにん)・文明の乱によって焼失している。内容は政治・経済・社会に及び,戦乱下の公武動静や公家の生活,さらには土一揆の動きなどにも言及している。ほかに中世最後となった1466年の大嘗会(だいじょうえ)の伝奏記(てんそうき)が含まれており,朝廷と室町幕府の折衝の様子や,朝幕経済の実態などが記されている。

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