誹諧初学抄(読み)はいかいしょがくしょう

精選版 日本国語大辞典 「誹諧初学抄」の意味・読み・例文・類語

はいかいしょがくしょう ‥ショガクセウ【誹諧初学抄】

俳諧論書。一冊。徳元著。寛永一八年(一六四一)刊。和漢連歌式目に準じて俳諧の式目を定め、同時に俳諧の本質品格を論じ、一句の仕立てようを説き、「心の俳諧」を重んずべきことを述べる。次に「四季の詞(ことば)(ならびに)恋の詞」の部では春夏秋冬季題を初中末に分類して解説を加え、恋の心をふくむことば八〇余を列挙し、それに関連して和漢の美女好色の男四九人について記し、それらの恋句における扱い方を説いている。

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デジタル大辞泉 「誹諧初学抄」の意味・読み・例文・類語

はいかいしょがくしょう〔ハイカイシヨガクセウ〕【誹諧初学抄】

俳諧論書。1冊。斎藤徳元著。寛永18年(1641)刊。俳諧式目を定め、連歌と俳諧の違いを解説。

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改訂新版 世界大百科事典 「誹諧初学抄」の意味・わかりやすい解説

誹諧初学抄 (はいかいしょがくしょう)

俳諧論書。斎藤徳元著。1641年(寛永18)1月成立・刊。横本1冊。奥書に,著者が江戸において君命を受け,たびたび辞退をしたが許されず,連歌の式目に倣い〈其趣(おもむき)ばかり〉を記したとある。内容は,連歌にまさる俳諧の五つの徳を挙げ,次いで〈物にたとへば,連歌は能,誹諧狂言〉と連俳特質を述べ,なかでも詞なだらかで心に興を含む〈心の俳諧〉を重んじた点は卓見である。本書は江戸における俳書出版の嚆矢(こうし)で,その反響は大きく,《天水抄》や《氷室守(ひむろもり)》に,また三浦浄心の《順礼物語》にも五徳が引用されている。
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