(読み)テイ

デジタル大辞泉 「諦」の意味・読み・例文・類語

てい【諦】[漢字項目]

常用漢字] [音]テイ(漢) タイ(呉) [訓]あきらめる
テイ
明らかにする。「諦視
締めくくり。まとめ。「要諦
あきらめる。「諦観諦念
〈タイ〉仏教で、悟り。真理。「三諦真諦しんたい俗諦妙諦

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精選版 日本国語大辞典 「諦」の意味・読み・例文・類語

あきらめ【諦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あきらめる(諦)」の連用形名詞化 ) 仕方がないと思い切ること。断念
    1. [初出の実例]「あきらめがよすぎて後家のにくらしさ」(出典:雑俳・柳多留‐九(1774))

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普及版 字通 「諦」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(旧字)
16画

[字音] テイ・タイ
[字訓] あきらか・つまびらか・まこと

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(帝)(てい)。〔説文〕三上に「審(つまび)らかにするなり」とあって、諦審の意。仏教では「諦観(たいかん)」のようによむ。

[訓義]
1. あきらか、あきらかにする。
2. つまびらか、つまびらかにする。
3. まこと。
4. と通じ、なく。
5. 国語では、あきらめる。

[古辞書の訓]
名義抄〕諦 アキラカニ・ツマビラカナリ・マコト 〔立〕諦 サダカ・アキラカ

[語系]
諦・dyiは同声。tyiは声近く、〔説文〕に「は諦(あき)らかにするなり」「は諦祭なり」のように通用の関係があるとする。ただ諦審の意はdyeと通用の義で、(てい)は理、(てい)十二下には「諦なり」とあって、声義の関係がある。

[熟語]
諦号諦思・諦視・諦諦伺諦聴諦当諦認諦料
[下接語]
安諦・空諦・掲諦・見諦・三諦・信諦・真諦審諦・聖諦・瞻諦・俗諦・妙諦・明諦・滅諦・要諦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【真理】より

…例えば仏教などの重要な戒のひとつ〈サティヤ・バチャナsatya vacana〉は〈不妄語〉と巧みに漢訳されている。また初期仏教の教法は四聖諦(ししようたい)としてまとめられているが,この〈諦〉もサティヤの漢訳語である。一般に,悟りへの道を示す教えはサティヤと称しうるが,ベーダーンタ学派などでは,窮極的なサティヤはブラフマン(梵)であるとされる。…

※「諦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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