デジタル大辞泉
「贅六」の意味・読み・例文・類語
ぜえ‐ろく【×贅六/▽才六】
《「さいろく(才六)」の音変化》関東の人が上方の人をあざけっていう語。ぜいろく。
「おめえがたの事を上方―と言ふはな」〈滑・浮世風呂・二〉
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ぜい‐ろく【贅六】
- 〘 名詞 〙 =ぜえろく(贅六)
- [初出の実例]「丹波女だから淫乱だとか大阪者だから万事にケチケチして判然しない贅(ゼイ)六だとかくだらない事を云って他を排斥し合って居る」(出典:面白半分(1917)〈宮武外骨〉月世界と鼻糞)
贅六の補助注記
「和英語林集成(再版)」には「Zeiroku ゼイロク 代名詞〈訳〉卑語。自分を卑しめていう語」という説明がみられる。
ぜえ‐ろく【贅六・才六】
- 〘 名詞 〙 ( 「さいろく(才六)」の変化した語 ) 人をののしることば。多く、関東の人が関西の人をあざけっていう。ぜいろく。
- [初出の実例]「才六(ゼヘロク)め。夫をしらねへでつまるもんか」(出典:洒落本・船頭深話(1802)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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贅六
ぜいろく
江戸っ子が上方(かみがた)の人をけなしていったことば。上方贅六という。もともと人をののしって毛才六(けざいろく)(青二才(あおにさい))ということがあり、その才六が江戸っ子ことばでゼエロクとなり、擬人化されたといわれる。才六はばか、あほう、つまらぬ者の意。1811年(文化8)に刊行された『客者評判記』には、「上方の才六めらと倶一(ぐいち)にされちゃアお蔭(かげ)がねへ」などとある。関西が長い文化の伝統をもっているのに対して、江戸は新興都市であったから、コンプレックスの裏返しの心理とみることができよう。贅はよけいなものの意であり、六も宿六(やどろく)、甚六(じんろく)などのように、あまり役にたたない者に対して、卑しむ気持ちを表現したことばである。
[井之口章次]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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