赤物(読み)アカモノ

デジタル大辞泉 「赤物」の意味・読み・例文・類語

あか‐もの【赤物】

ツツジ科の常緑小低木。高山に生え、高さ10~30センチ。葉は卵形で先がとがり、毛がある。夏、柄の長い釣鐘状の白い花が咲く。実は熟すと赤くなり、食べられる。いわはぜ。

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精選版 日本国語大辞典 「赤物」の意味・読み・例文・類語

あか‐もの【赤物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ツツジ科の常緑小低木。日本各地の山地に生える。高さ一五~三〇センチメートル。葉は革質で、長さ一・五~三センチメートル、幅一~二センチメートルぐらいの広卵形で先がとがり、へりには細かい鋸歯(きょし)がある。夏、白いつりがね形の花が下向きに咲く。実は食用となる。紅色の実が桃の味に似ているため、「赤桃」といわれ、それが変化したものという。いわはぜ。〔日本植物名彙(1884)〕
  3. タイ類やホウボウなど、外皮が赤く、肉が白みの魚。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤物」の意味・わかりやすい解説

赤物
あかもの

体の地色赤みを帯びた魚類総称。体色が青みを帯びた青魚(あおざかな)に対して用いる。魚肉自体が赤い赤身魚とは異なる。タイ類、タラ類、メヌケ類、ヒラメ・カレイ類、ホウボウ・カナガシラ類などがその代表である。体型は青物に多い紡錘形に比べて、著しく側扁(そくへん)または縦扁して扁平な形をしており、頭が大きく、骨格がよく発達している。赤物は一般に海底またはその近くにすみ、移動能力が低くて大規模な回遊をしない。海底にすむ小魚、エビ・カニ類、貝類、多毛類、ウニ類、ヒトデ類などをおもに食べる。筋肉は白みを帯び、エキス分や脂肪含量が少ないので味に特別な癖がない。また青魚に比べて食中毒にかかることがほとんどないうえ、変敗しにくい。そのため幼児や病人用の食事にも適している。また、日本では伝統的に縁起物赤色を使うことが多いことから、赤物の代表格のタイ類、メヌケ類などは、めでたい魚として祝い事に用いられる。

落合 明・尼岡邦夫]

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とっさの日本語便利帳 「赤物」の解説

赤物

魚市場用語で、タイ、アマダイ、キンキなど、体の赤い魚の総称。特に高級魚を指すこともあり、祝い事の用途があるため、扱い品目として一つカテゴリーとなっている。サバ、アジなど背中の青い魚は青物。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「赤物」の解説

赤物 (アカモノ)

学名:Gaultheria adenothrix
植物。ツツジ科の常緑小低木,薬用植物

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世界大百科事典(旧版)内の赤物の言及

【常滑焼】より

…室町時代には備前焼の隆盛に押されて停滞し,常滑市域への窯の集約化がみられたが,室町末期には半地下式大窯(鉄砲窯)に転換して真焼と称する炻器(せつき)質の壺・甕類を量産し,再び隆盛に向かった。近世の常滑焼は真焼,赤物と呼ばれる日常雑器を主としているが,江戸後期に連房式登窯が導入されて,真焼は登窯で,赤物は大窯で焼かれるようになった。一方,天明年間(1781‐89)に常滑元功斎が出て茶陶の世界が開け,幕末にかけて上村白鷗,赤井陶然,伊奈長三らの名工が輩出して,陶彫,楽焼,白泥,藻がけ釉などに腕をふるった。…

※「赤物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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