赤紙(読み)アカガミ

デジタル大辞泉 「赤紙」の意味・読み・例文・類語

あか‐がみ【赤紙】

《紙の色が赤いところから》
展示中の商品の売約済みを示す札。
差し押さえの貼り紙の俗称。
もと、軍の召集令状の俗称。

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共同通信ニュース用語解説 「赤紙」の解説

赤紙

旧日本軍が発行した召集令状の俗称。徴兵検査現役兵に選ばれなかった人や、除隊後に予備役になった人など、平時民間で生活する「在郷軍人」を、戦局に応じて呼び出す際に使われた。集合する日時や場所、部隊名が記された命令書で、郵送ではなく役場兵事係が各家庭に直接届ける決まりだった。淡い赤色の紙に印字されていたことから「赤紙」と呼ばれた。

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精選版 日本国語大辞典 「赤紙」の意味・読み・例文・類語

あか‐がみ【赤紙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 赤色の紙。疱瘡(ほうそう)まじないとして行灯(あんどん)・仁王像などに貼ったりした。
    1. [初出の実例]「行燈の用意があるまい。赤紙(アカガミ)を買って来たがよい」(出典咄本・詞葉の花(1797)水瓜)
  3. 急を要する書状に貼りつけた赤い紙。
    1. [初出の実例]「箪笥の引出しからつかみ出す日文の数々、店走りと赤紙付の文どもを次第にならべて」(出典:読本・川童一代噺(1794)五)
  4. あかしんぶん(赤新聞)
    1. [初出の実例]「梅子の視線は、いつしか机上に開展されたる赤紙の第三面に落ちて」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉一二)
  5. ( 赤色の紙を用いたことから ) もと、軍の召集令状の俗称。
    1. [初出の実例]「今日、突如吉村公三郎監督に赤紙が来て」(出典:夢声戦争日記〈徳川夢声〉昭和一八年(1943)一〇月二二日)
  6. 差押えの貼り紙の俗称。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤紙」の意味・わかりやすい解説

赤紙
あかがみ

召集令状

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世界大百科事典(旧版)内の赤紙の言及

【召集】より

…旧陸軍では動員時(動員)の充員召集,臨時召集,演習召集,教育召集,帰休兵召集,防衛召集,簡閲点呼があり,旧海軍では充員召集,防衛召集,徴傭船船舶長召集,勤務演習召集,教育召集,補欠召集があった。充員召集令状は淡紅色の用紙で〈赤紙〉と称された。自衛隊では〈招集〉と書かれ,防衛招集と訓練招集がある。…

【徴用】より

…徴用の施行に際しては,当初は応召に次ぐ名誉として応ずる人の姿もみられたが,回を重ねるごとにその強制的性格と労働条件の劣悪さから不評を買い,すでに40年には2,3割の不出頭者が出た。軍隊への召集令状〈赤紙〉に対して徴用令状を〈白紙〉といって恐れる傾向が生まれたのである。 太平洋戦争開始とともに徴用制は労働力動員の〈伝家の宝刀〉として全面的に発動され,その対象の多くは平和産業,中小商工業者の転・廃業労働力であった。…

※「赤紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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