越前和紙(読み)えちぜんわし

事典 日本の地域ブランド・名産品 「越前和紙」の解説

越前和紙[紙工芸・和紙]
えちぜんわし

北陸甲信越地方、福井県の地域ブランド。
福井県越前市とその周辺地域で生産された奉書紙その他の和紙・和紙製の板紙・和紙製の加工紙・紙製文房具用和紙・コースター作成用和紙・紙製ランチョンマット用和紙・紙袋用和紙・紙製テーブルクロス用和紙・紙製のぼり用和紙・紙製旗用和紙・紙製ハンカチ用和紙・紙製手ふき用和紙・紙製タオル用和紙・紙製テーブルナプキン用和紙・紙製衛生手ふき用和紙・印刷用和紙。奈良時代に仏教経典を写すための写経用紙として漉かれたという。その後、技術の向上をみて越前奉書などの高級紙がつくられるようになり、幕府領主の手厚い保護をうけ全国有数の和紙の産地として発展した。紙質は繊細優雅。1976(昭和51)年6月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品指定。2008(平成20)年6月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5140246号。地域団体商標の権利者は、福井県和紙工業共同組合。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

日本文化いろは事典 「越前和紙」の解説

越前和紙

産地:福井 中世の武家支配の時代、主君臣下に出す命令伝達を近侍者がしたためて発行する「奉書」という書式がありました。この「奉書」の公用紙として、最もよく 使用されてきたのが越前和紙です。楮の繊維だけで漉く「生漉奉書」は、表面がなめらかで上品な光沢を持ち、手ざわりもよく丈夫であったため、最上の奉書紙 として知られました。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「越前和紙」の解説

越前和紙

福井県越前市で生産される和紙。原料はコウゾ、ミツマタなど。起源は古く、4~5世紀頃とも言われ、中世には鳥子紙や奉書紙で知られた。明治新政府の「太政官金札用紙」も越前の五箇地区で漉かれたもの。現在でも美術紙、書画用紙、襖紙など用途は広い。1976年、国の伝統的工芸品に指定。

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