デジタル大辞泉
「動く」の意味・読み・例文・類語
いご・く【▽動く】
[動カ五(四)]「うごく」の音変化。
「いくら言訳を云っても、坐り込んで―・かないんだもの」〈漱石・道草〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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うご・く【動】
- 〘 自動詞 カ行五(四) 〙 物事の位置、状態が変わる。いごく。おごく。
- ① 位置、地位などが別の所に変わる。また、別の状態に移る。
- (イ) 静止していたものが位置を変える。移動する。
- [初出の実例]「恒(つね)に石(いは)の如くに、常(とき)はに堅(かき)はに動(うごか)ず坐さむ」(出典:古事記(712)上)
- (ロ) 別の状態に変化する。変動する。また、人の地位、仕事などが変わる。異動する。「人事異動で職場が動く」
- [初出の実例]「僕の目的は更に動かぬ」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉六)
- (ハ) 一つに決まらないでいろいろに考えられる。
- [初出の実例]「あの衆の呑(のん)だちゃわんが、さけくさいかかいで見さしゃれ、とうごかぬ所へ気をつけられ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三)
- ② 物が前後左右上下などに揺れる。ゆらぐ。振動する。震動する。
- [初出の実例]「秋田刈る苫手(とまで)揺(うごく)なり白露し置く穂田なしと告げに来ぬらし」(出典:万葉集(8C後)一〇・二一七六)
- 「すだれうごくけしきなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蓬生)
- ③ 他の働きかけによって心がぐらつく。動揺する。また、物事に深く感じてそちらへ心がひかれる。感動する。
- [初出の実例]「くさのはにかかれる露の身なればや心うごくに涙落つらむ」(出典:大和物語(947‐957頃)一二三)
- ④ 目的に添って、ある働きをする。
- (イ) 組織、機械、乗り物、からだなどがその機能を発揮する。活動する。「警察が動く」
- [初出の実例]「物は少しおぼゆれど、腰なんうごかれぬ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- (ロ) 意図をもって、あちこちに働きかける。運動する。「就職のために動く」
- [初出の実例]「我々は正義の為に動く議員ぢゃから」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉増税)
おご・く【動】
- 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 ( 「うごく(動)」の変化した語 )
- ① 位置を変える。うごく。
- [初出の実例]「揺(オコク)‐颺(あかり)として安からぬを動とす」(出典:法華義疏長保四年点(1002)二)
- ② 心などが動揺する。また、あせる。
- [初出の実例]「どうぞ人の見ぬ内にいにたいものと、おごく心うろつく間」(出典:浮世草子・枕童児抜差万遍玉茎(1751‐64頃)六)
いご・く【動】
- 〘 自動詞 カ行五(四) 〙 ( 「うごく(動)」の変化した語 ) 位置や状態が変わる。また、前後左右などに揺れる。
- [初出の実例]「いやいごかぬ」(出典:虎明本狂言・昆布売(室町末‐近世初))
いの・く【動】
- 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 ( 「いごく(動)」の変化した語 ) うごく。
- [初出の実例]「あのやろふが格子へくっついていのきゑゑねへはな」(出典:洒落本・太平楽記文(1784))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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