転ずる(読み)テンズル

デジタル大辞泉 「転ずる」の意味・読み・例文・類語

てん・ずる【転ずる】

[動サ変][文]てん・ず[サ変]
方向状態などが移る。変わる。また、移す。変える。「内勤から外勤に―・ずる」「話題を―・ずる」「災いを―・じて福となす」
ころがる。回る。また、ころがす。回す。
六箇むつ車輪はあたかも同一ひとつの軸にありて―・ずる如く」〈鏡花・義血侠血〉
[類語]移る変わる化する変ずる動く変える移ろう化ける動く移動する移転する引っ越す転出する転任する転属する移籍するくら替えする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「転ずる」の意味・読み・例文・類語

てん‐・ずる【転】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]てん・ず 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. 方向や状態がかわる。他の状態にうつる。また、他のものになる。変化する。
      1. [初出の実例]「定業能転して、大悲苦に代り給ふ」(出典:康頼宝物集(1179頃)中)
      2. 「妙音院殿、太政大臣に転じ給へるかはりに」(出典:平家物語(13C前)一)
    2. ころぶ。まろぶ。転倒する。
    3. まわる。めぐる。回転する。
      1. [初出の実例]「かくの如くに旋転ること、三百六十余転する間に」(出典:古道大意(1813)下)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]てん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. 方向や状態をかえる。他の状態にうつす。また、他のものにする。変化させる。
      1. [初出の実例]「御占などはよろしからず候ひしかども、さばかりせさせ給し事どもに、さりともてむぜさせ給はじやとこそ、思給へしか」(出典:栄花物語(1028‐92頃)玉の飾)
      2. 「右丞相を転して左丞相となして」(出典:史記抄(1477)八)
    2. ころがす。ころばす。転倒させる。
    3. めぐらせる。まわす。回転させる。
      1. [初出の実例]「又法輪を不転ずは、返て父の王と不相見じ」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
    4. 経文などを順ぐりに読む。要所要所を、とびとびに読む。転読する。
      1. [初出の実例]「冝諸国〈略〉昼転金剛般若経、夜修薬師悔過」(出典続日本後紀‐天長一〇年(833)六月八日)

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