迷子石(読み)マイゴイシ

改訂新版 世界大百科事典 「迷子石」の意味・わかりやすい解説

迷子石 (まいごいし)

行方不明の子どもを尋ねる告知板の役をつとめた石。江戸など大都会盛場で,子どもの名を記した紙をはり,通行人に知らせたものである。日本橋川にかかる一石橋(いちこくばし)にある〈迷い子のしらせ石〉は東京都旧跡に指定されているが,1857年(安政4)に西河岸町で建てられたもの。浅草寺湯島天神境内にもあり,尋ね人の相互連絡に用いられた。
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迷子石 (まいごいし)
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捨子石(すてごいし)ともいう。氷河によって運搬された岩石塊が,氷河の溶けたあとにとり残されたもの。ヨーロッパアメリカでは氷河時代に運ばれた岩石塊が数百kmも離れた所に見られる。特定地域にしか産しない岩石の迷子石を追跡調査し,その分布状況から氷河時代の氷床の拡大方向が推察できる。
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岩石学辞典 「迷子石」の解説

迷子石

母岩から離れて氷河の移動によって現在の地点まで輸送された岩石の塊.19世紀初めに,アルプスで大きな岩塊が非常に離れた場所に輸送された起源や輸送作用などが大きな問題となった[de Saussure : 1786, Gruner : 1806, De la Beche : 1831, Charpentier : 1835].氷河による移動を記したのはプレイフェアが最初らしい[Playfair : 1802, Charlesworth : 1957, Flint : 1971].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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