デジタル大辞泉 「退紅」の意味・読み・例文・類語 たい‐こう【退紅/×褪紅】 1 薄紅うすくれないの染め色。あらぞめ。2 薄紅色に染めた狩衣かりぎぬ。仕丁じちょうなどが着用した。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「退紅」の意味・読み・例文・類語 たい‐こう【退紅・褪紅】 〘 名詞 〙① 薄紅(うすくれない)の染色。淡紅色。あらぞめ。[初出の実例]「左退紅布袍 是、近衛常袍也」(出典:江家次第(1111頃)一九)[その他の文献]〔王建題所賃宅牡丹花詩〕② 薄紅の狩衣。上流貴族の家の下部(しもべ)の着衣。また、それを着た者。[初出の実例]「あとに立たる退紅の仕丁に『是はいかなる人にて御渡候ぞ』と問ば」(出典:御伽草子・秋の夜の長物語(南北朝)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「退紅」の意味・わかりやすい解説 退紅 (たいこう) 平安時代以来,下級官人が着用した衣服の一種。養老の〈衣服令〉の武官朝服に見える桃染衫(さん)が原型であろうか。形は布衣(ほうい)とほぼ同じ。薄紅色に染めた麻布製,単(ひとえ)仕立て。烏帽子をかぶり黒染麻布のくくり袴をはき退紅を着た仕丁のことも指す。傘持,履持(くつもち)など公家の供をする召具(めしぐ)の装束の一つ。退紅をあらぞめと読むと薄紅色のことを指す。《延喜式》縫殿寮の条に退紅の調布1反染めるのに,〈紅花小十四両,酢一合六勺,藁半囲,薪卅斤〉とある。執筆者:高田 倭男 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
色名がわかる辞典 「退紅」の解説 あらぞめ【退紅】 色名の一つ。「たいこう」とも読む。淡く、くすんだピンク色に近い紅べに色。「退」は「褪あ(せる)」と同義で、色あせた紅染めを形容しており、薄い紅染めの染色をあらわす伝統色名。古くは「洗紅」とも表記した。洗朱あらいしゅと比較するとかなり明るい。狩衣かりぎぬとして着用したとされる。 出典 講談社色名がわかる辞典について 情報 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内の退紅の言及 【退紅】より …薄紅色に染めた麻布製,単(ひとえ)仕立て。烏帽子をかぶり黒染麻布のくくり袴をはき退紅を着た仕丁のことも指す。傘持,履持(くつもち)など公家の供をする召具(めしぐ)の装束の一つ。… ※「退紅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by