退(読み)タイ

デジタル大辞泉 「退」の意味・読み・例文・類語

たい【退】[漢字項目]

[音]タイ(呉)(漢) [訓]しりぞく しりぞける すさる しさる のく ひく
学習漢字]6年
後ろに下がる。しりぞく。しりぞける。「退却退陣退避撃退後退辞退撤退敗退
身を置いていた場所や地位から去る。「退位退院退学退官退席退庁引退早退脱退勇退
勢いが弱まり衰える。「退化退屈減退衰退
(「」の代用字)くずれる。「退勢退廃
(「褪」の代用字)色があせる。「退色
[名のり]のき

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精選版 日本国語大辞典 「退」の意味・読み・例文・類語

そき【退】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「そく(退)」の連用形名詞化 ) 遠く離れること。また、遠くへだたった所。
    1. [初出の実例]「筑紫に至り 山の曾伎(ソキ) 野の衣寸(そき)見よと 伴の部を 班(あか)ち遣し」(出典:万葉集(8C後)六・九七一)

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普及版 字通 「退」の読み・字形・画数・意味

退
常用漢字 9画

(旧字)
10画

(異体字)
10画

[字音] タイ
[字訓] しりぞく

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
正字はに作り、日((き)の略形)を持ち去る意で、撤饌することをいう。神に供えたものをさげるのが、原義であった。〔説文〕二下に「、卻(しりぞ)くなり。~彳(てき)・日・夊(すい)に從ふ」とし、またを録して「、或いはに從ふ。、古(ちやく)に從ふ」とする。はその古文の形にあたる。〔説文〕にまた「一に曰く、行くこと遲きなり」という。〔段注〕に「日日遲曳(ちえい)の義」とするが、字は撤饌の象に従う。金文の〔(しょうしゆ)〕に「」の語があり、その(き)(食器)の器形に従っている。また儀礼のとき、逡して避けることを退くという。退は儀礼の際の行為を示す字である。軍の進退のときには(たい)を用いる。獣牲を用いて卜うもので、進むことを(遂)(すい)、退くことをという。古くは軍礼のときと儀礼のときとで、進退の用字に区別があった。

[訓義]
1. ひく、さがる、まかる、供えたものをひきさげる、撤饌。
2. しりぞく、しりごみする、かえる。
3. へらす、やめる。
4. しりぞける、おう。
5. 褪と通じ、さめる、あせる。

[古辞書の訓]
名義抄 シリゾク・マカル・カヘル・ヤム・イソグ・ヲトス 〔字鏡集 シリゾク・ヲトス・ヤム・マカル・サル・カヘル・イソグ・イタル

[語系]
)thut、褪thunは声義近く、褪は物の解け、色調の減退することをいう。

[熟語]
退安・退位・退隠・退嬰退役・退遠・退悔・退官・退間・退却・退休・退居・退去・退屈退行・退紅・退耕退散・退思・退士・退志・退守・退脩・退処・退譲・退食・退色・退職・退身・退静・退席・退然・退素・退走・退蔵・退息・退損・退惰退潮・退朝・退転・退匿・退・退敗・退廃・退班・退避・退筆・退伏退歩・退保・退北・退約・退抑・退老
[下接語]
引退・隠退・間退・虧退・窮退・撃退・謙退・減退・後退・辞退・進退・衰退・趨退・静退・請退・斥退・早退・脱退・知退・朝退・撤退・転退・退・敗退・廃退・罷退・貶退・勇退・抑退・乱退

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