中国,山西省南西部の市(県級市)で運城地区の中心地。人口60万(2000)。中条山脈北側にあり,同蒲鉄道(大同~孟)に沿う。1958年安邑,解虞両県を合併して運城県が設置され,83年市制施行。安邑は隋代に南安邑県を改めて設け,県治は運城北東の安邑城にあり,虞州,安邑郡の治所となったこともある。1915-18年県治を運城に移したこともあり,その後再び旧治にもどったが,55年からは運城が県治であり,運域地区公署の所在地となった。むかし禹が建郡し,戦国に魏の都であった安邑は南北朝の北魏の北安邑で,夏県北西にあたる。南部に塩池(解池)があり,河東塩池とも呼ばれ,長さ約30km,面積130km2。ここで産する解塩(潞塩,河東塩ともいう)の名は古くから知られる。解虞は54年解県と虞郷とが合併した県で,58年運城県になったのち,61年虞郷は永済県に編入された。したがって現在の運城市域は旧安邑県と旧解県の県域にあたる。解県は五代以来解州の治所であった。
執筆者:河野 通博
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中国、山西(さんせい)省南西部の地級市。1市轄区、10県を管轄し、2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口525万2000(2014)。黄河(こうが)の支流である涑水河(そくすいが)のつくる河谷平野にあり、綿花や小麦の産地である。南の中条山を越えれば、黄河の三門峡(さんもんきょう)である。山西省中央部と陝西(せんせい)省の関中(かんちゅう)を結ぶ交通路の要衝で、南北に同蒲(どうほ)線(大同(だいどう)―華山(かざん))が、東西には侯西線(侯馬(こうば)―西安(せいあん))が通る。2005年に運城関公空港が開港し、国内各都市と結ばれている。
市の南にある解池(かいち)は、古くから河東塩池とよばれる内陸塩の産地として著名で、産出される塩は解州塩、河東塩などとよばれ、古代から社会・経済史上で果たした役割はきわめて重要であった。解池から黄河へは、早くから運河(姚暹渠(ようせんきょ)、永豊渠)も掘られている。
[秋山元秀・編集部 2017年10月19日]
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