名物裂(ぎれ)の一つ。縹(はなだ)、浅葱(あさぎ)、白の石畳に、牡丹(ぼたん)花、七宝を互(ぐ)の目に配した緞子。石畳の方形3センチメートル前後。類裂(るいぎれ)が幾種かあり、後世の写しには黄や萌黄(もえぎ)の色糸を交え、石畳も小ぶりにつくられているものがある。また遠州好み緞子と称されるものに萌黄地捻梅文(ねじりうめもん)緞子(松屋肩衝(かたつき)茶入の仕覆(しふく))がある。いずれも名称の由来は小堀遠州(1579―1647)の愛用裂であったことによると伝えられるが、遠州の名が冠された緞子は、文様が一般の緞子のように裏繻子(うらじゅす)組織によらず、五枚綾(あや)調の組織で、明快に織り出されている点に特徴がある。またそれは中国明(みん)・万暦(ばんれき)年間(1573~1619)の華やかな緞子の特色でもある。
[小笠原小枝]
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...