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遥任 ヨウニン

デジタル大辞泉の解説

よう‐にん〔エウ‐〕【×遥任】

主に平安時代国司に任命された者が現地に赴任せず、京にいて収入だけは得ていたこと。権官(ごんかん)などに多い。遥授。

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百科事典マイペディアの解説

遥任【ようにん】

遥授とも。奈良・平安時代,地方官,特に国司が任命されたのちも赴任せず在京すること。実務は目代(もくだい)にまかせ,得分を受けた。鎌倉時代以後,遥任は恒常化され,特に意識されなくなった。
→関連項目在庁官人庁宣目代

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世界大百科事典 第2版の解説

ようにん【遥任】

古代の地方官制度の展開の中で起こった事象で,本人は在京しながら,地方官に任命され,その収入をうることをいう。律令制下においては,地方官に任命されれば,任地に赴くのが原則であったが,8世紀前半期において,特例的に京官に地方官を兼ねさせ,経済的な優遇をすることがあった。8世紀後半以降になると員外国司権任国司の盛行とともにそのような例はますます増加した。平安時代には,要職とされる一定の官職にある者には,一定年限を経ると必ず国司を兼ねさせるという慣例もでき,京官を兼ねなくとも赴任を免除されるものも出現した。

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大辞林 第三版の解説

ようにん【遥任】

古代、国司に任命されながら任地に赴任せず、代わりの者(目代)を派遣して国務をとらせること。収益の獲得のみを図ったもので、一二世紀にはほぼ常態化した。遥授ようじゆ

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世界大百科事典内の遥任の言及

【国司】より


[変質]
 この国司制は平安時代に入ったころから,中央集権的支配の弛緩に伴って,しだいに変質していった。そのおもな原因の一つは国司の給与の増大で,奈良時代からもっぱら収入を目的とする員外国司,権任国司など,定員外の国司の任命が始まり,また平安時代に入って826年(天長3)に上総,常陸,上野を親王任国とし,その国守の親王を太守と呼び,太守は京にいてただ俸料のみを受けることにしてから,いわゆる遥任の例が生じた。この遥任の風は,その後各種の京官が収入を目当てに国守を兼帯することによってますます盛んとなったが,その場合には国守は腹心の者を目代(もくだい)として任国に派遣し,介以下の在庁官人によって構成される留守所(るすどころ)を指揮させることが行われた。…

※「遥任」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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