デジタル大辞泉
「権官」の意味・読み・例文・類語
けん‐かん〔‐クワン〕【権官】
1 権勢のある官職。また、その官職にある人。
2 「兼官」に同じ。
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ごん‐かん‥クヮン【権官】
- 〘 名詞 〙 令制にきめられていない官の一つ。奈良時代に置かれ、その後増加して平安時代には正官と並置された。本来は職務の煩雑多忙を処理するためであったので、経歴・資格は正官に任ずるに足りないが、有能である者を仮にその官に任じ、官に相当する俸祿を給与したもの。はじめは地方官に限られたがのちには京官に及んだ。類似の官に員外官があったが、奈良時代に廃止されて、後に権官にかわった。その範囲は、僧官や神官にも及んだ。
- [初出の実例]「凡正員之外、特任二権官一者、不レ論二正権一、依二位階次一」(出典:延喜式(927)一八)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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権官 (ごんかん)
大宝・養老令に定められた定員以外に権(かり)に任ぜられた官員。8世紀前半にも権に兵馬司史生に充て,権に参議と為したことが見えるが,正規の権官の初見は779年(宝亀10)に藤原田麻呂が中衛権大将に任ぜられた記事か。781年(天応1)員外官が全面的に廃止されると,これに代わって権官の任命が増加し,平安時代には内・外官にわたって盛行した。特に外官の権官は,公廨稲(くがいとう)の取得のみを目的とする遥任の風潮と結びついて恒常化した。
執筆者:柳 雄太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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権官
ごんかん
令制(りょうせい)で定められた定員以外に置かれた官の一つ。権官と員外官との区別はかならずしも容易ではないが、員外官は令規の正官と並ぶ定員外の官で、主として奈良時代に京官、地方官に任命された。781年(天応1)の詔により、郡司、軍毅(ぐんき)を除いて、内外文武官を問わず、員外の任はいっさい廃止されて以来、権官がこれにかわって盛行する。ただし、奈良時代においても権官はみえるが、多くは「かりの官」として、暫定的に政務の運営に参与させたという意味である。779年(宝亀10)藤原田麻呂(たまろ)をもって中衛(ちゅうえ)権大将に任命したのが正規の権官の初見か。以後、平安時代に入ると内外官ともに権官が増加する。
[渡辺直彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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権官
ごんかん
令制の規定外の官の一つ。員外官が正官と並ぶ定員外の官であるのに対し,かりにその官に任じ,相当する俸禄を給された者をさす。大和権守など,初めは地方官に限られたようであるが,のちには京官にも及び,天応1 (781) 年,員外官の廃止によって権官の重要性は増していった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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権官
ごんかん
権任の官。正官に対して仮に任じた官の意であるが,8世紀末に停廃された員外官の系譜をもひき,任じた事情によって栄誉官・補佐官・左遷官など異なった性格をおびた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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