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公廨稲 くがいとう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公廨稲
くがいとう

「くげとう」とも読む。天平 17 (745) 年,諸国におかれた出挙 (すいこ) 用官稲の一つ。諸国の国衙では,一定額の官稲を農民に出挙し,その利子 (利稲) を官衙の雑費と官人の給与にあてた。これを公廨稲という。

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デジタル大辞泉の解説

くがい‐とう〔‐タウ〕【×廨稲】

律令制で、諸国に置かれた官稲の一。正税の一部を出挙(すいこ)し、その利益を官司の入用や官人の俸給に充てた稲。くげとう。

くげ‐とう〔‐タウ〕【×廨稲】

くがいとう(公廨稲)

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百科事典マイペディアの解説

公廨稲【くがいとう】

〈くげとう〉とも。律令時代の地方財源。諸国に蓄積された租の一部を毎年出挙(すいこ)し,その利息はまず租税の未収分などにあて,次いで国司が分配して収入とする。公廨は官衙(かんが)の意。
→関連項目正税

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世界大百科事典 第2版の解説

くがいとう【公廨稲】

古代の官稲の一種。745年(天平17)11月,従来の国司借貸制および公用稲(国儲)の制を継承し,諸国の正税を割いて国別に設置された出挙稲(すいことう)で,その本稲数は,大国40万束,上国30万束,中国20万束(ただし大隅・薩摩は各4万束),下国10万束(ただし飛驒・隠岐・淡路は各3万束,志摩・壱岐は各1万束)と定められた。757年(天平宝字1)の公廨処分式によれば,まず官物(かんもつ)の欠負未納を補塡し,次に国儲(朝集使などの在京費用および向京担夫の粮料を支弁)に割き,残余を国司の俸料として長官6分,次官4分,判官3分,主典2分,史生1分の割合で配分することがみとめられた。

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大辞林 第三版の解説

くがいとう【公廨稲】

律令制で、官稲のうち、出挙すいこしてその利を官庁の諸経費や国司の俸給にあてた稲。くげとう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公廨稲
くがいとう

「くげとう」とも読む。律令(りつりょう)時代に行われた公出挙(くすいこ)稲(国家が行う稲の貸付)の一種。公廨とは官衙(かんが)を意味するが、この場合は地方の国衙における財政運用のためというより、国司の俸禄(ほうろく)たる公廨田からの収入を補充するものとして名づけられたらしい。政府は公出挙の利稲収入を安定した財源として重視し、745年(天平17)に論定(ろんてい)稲と公廨稲を設定、国の等級別の出挙額を決定した。論定稲はその利稲で中央・地方の財政をまかなうためのものであり、公廨稲はその利稲で論定稲の未納その他の理由による欠損の穴埋めをし、その残額を一定の割合で国司の間で配分して個人的な収入とさせるものである。
 この制度は、諸国の財政運営を国司の功利心に訴えて行おうとするもので、一種の請負制ともいえる。平安時代になると、公廨稲はその本来の使命を離れて国司の俸給の主要なものとみなされ、国司の地位を利権視する風潮を招くに至った。[虎尾俊哉]

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世界大百科事典内の公廨稲の言及

【外官】より

…令には,新任の際の給粮,勤務時間,勤務年限,親属・賓客の饗応の禁止など,勤務形態について種々の規定がある。封禄としては,季禄(きろく)がない代りに公廨稲(くがいとう)が給されたが,国司が私腹を肥やす弊害を生じたので,757年(天平宝字1)その配分法が定められた。しかし経済的な待遇は,京官よりもはるかに有利であった。…

【正税】より

…まず744年に正税から国別に4万束が割り取られ国分寺・尼寺に各2万束が施入され,出挙した利息を造寺用に充てるという処置がとられる。翌745年にはこれまで正税の出挙額は国によって大差があったのを国の等級別に正税出挙の定数(論定稲)が決められ,さらに公廨稲(くがいとう)という別枠の出挙稲として若干の例外はあるが大国40万束,上国30万束,中国20万束,下国10万束が設定された。さきに一本化された正税は公廨と正税という二大出挙稲に分離されたことになるが,公廨稲制度は出挙した利息で国司の給与や正税を中心とした官物の欠負・未納を補塡する費用などに充て,正税の運営を円滑にするために設けられたもので,膨張する国衙財政を安定させるための施策であった。…

【出挙】より

…稲穀出挙には大(正)税以外に郡稲,公用稲,駅起稲ほかの雑官稲の出挙があったが734年に一部を除いて正税にまとめられ,残る駅起稲なども739年に正税に混合され大規模に運用されることとなった。さらに745年には国の等級別に正税出挙の定数が定められ,ほかに公廨稲(くがいとう)という別枠の出挙稲が大国の40万束を最高にほぼ10万束単位で設定された。ここに至って公出挙制は完全に税制として機能することになる。…

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