選挙制度審議会設置法(昭和36年法律第119号)に基づいて設置された審議会であり、選挙・投票制度、国会議員の選挙区議員定数基準、政党・政治団体・政治資金制度、選挙公明化運動などに関する重要事項について、内閣総理大臣の諮問に応じて、または自ら、調査審議して答申する権限を与えられた諮問機関である。審議会は内閣総理大臣が学識経験者のうちから任命する27人以内の委員で構成され、またとくに必要があれば国会議員などの特別委員を置くことができる。委員の任期は2年。
選挙制度審議会は、1960年(昭和35)11月の総選挙での大量の悪質選挙違反の発生や、議員定数不均衡の顕在化などの問題を契機として、従来の選挙制度調査会(1949年設置)にかわって1961年6月に設置された。従来の選挙制度調査会に比して、より強力で権威ある機関とする趣旨から、答申の尊重義務が法律上明記されたこと、選挙区割・議員定数を定める基準とその具体案の作成が所掌事務とされたことなどが調査会と異なる点である。選挙制度審議会は第一次会から第八次会に至るまで選挙制度の重要な改正に関する答申や報告を行ってきた。たとえば、議員定数の不均衡是正、政治資金の規制、選挙区制、選挙公営化などの問題についてである。しかし、それらの答申は、政府案の作成や国会審議の過程で骨抜きにされてきた現実がみられた。
なお、政治改革の必要性がさけばれていた1989年(平成1)発足の第八次審議会は、翌1990年に「選挙制度及び政治資金制度の改革についての答申」および「参議院議員の選挙制度の改革及び政党に対する公的助成等についての答申」を提出、1991年には「選挙の腐敗行為に対する制裁強化のための新たな措置についての答申」を提出した。この第八次審議会の答申は、衆議院議員選挙の小選挙区比例代表並立制の導入を提言するものであり、その後政府はこれら答申を踏まえた公職選挙法改正案を国会に提出し、1994年に同改正法が成立した。
第八次審議会委員の任期は1991年に満了となったが、その後新委員は任命されず、2010年3月現在も審議会の活動は停止している。
[三橋良士明]
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…付属機関としては,自治大学校,消防大学校,消防研究所等があり,審議会としては,地方財政審議会等4審議会が置かれている。なお,総理府に地方制度,選挙制度の重要事項を調査審議するための内閣総理大臣の諮問機関として地方制度調査会および選挙制度審議会があり,その事務は実質的に自治省が担当している。1997年度末定員589人。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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