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政治資金規正法 せいじしきんきせいほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

政治資金規正法
せいじしきんきせいほう

昭和 23年法律 194号。政治活動の公明と公正を確保し,民主政治の健全な発達に寄与することを目的として,政治団体の届け出,特定公職候補者の指定団体の届け出,政治団体,公職の候補者にかかわる政治資金の収支の公開,政治献金制限などについて定める法律。これらのうち,政治献金については,政治活動に関する寄付として量的な面と質的な面の両方から制限がなされている。寄付の総枠は,1992年時点で,年間を通じて,個人の場合は政党・政治資金団体および候補者に対しては 2000万円 (政党・政治資金団体以外の政治団体に対しては 1000万円) ,会社や組合の場合は資本金の額,組合員数によって異なるが1億円 (同 5000万円) が上限とされ,また個別的制限としては,政党・政治資金団体以外の同一の者に対しては年間 150万円が限度とされている。しかし,これらの制限は政治団体がする寄付,指定団体に対する寄付などについては適用されない。質的な制限としては,国・地方公共団体と一定の関係にある会社等のする寄付の制限,外国人などからの寄付の受領の禁止,匿名寄付などの原則的禁止があり,このほかに寄付あっせんの場合の行為制限,政治資金パーティーの対価の支払いに関する制限などについても定められている。政治資金規正法による規制は,政治スキャンダルが生じるたびに不十分さが指摘され,その強化がはかられてきている。なお,政治資金の支出の規制については公職選挙法にも規定がある。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

政治資金規正法

政治活動について国民にわかりやすいように、政治団体の届け出や資金収支の公開、寄付の制限などを求めている。政治団体は年に1回報告書の提出を義務づけられている。企業労働組合などの団体は、政党や政党支部を除く政治家後援会への献金はできない。個人や企業による献金額の上限も定められている。

(2011-12-18 朝日新聞 朝刊 岐阜全県 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

せいじしきん‐きせいほう〔セイヂシキンキセイハフ〕【政治資金規正法】

政治団体の届け出、政治資金の収支の公開および授受の規正などを定めることによって、政党その他の政治団体や公職の候補者の政治活動の公明と公正を確保することを目的とする法律。昭和23年(1948)施行。
[補説]企業・団体は、政党本部・政党支部に献金できるが、政治家個人の政治団体への献金は平成12年(2000)から禁じられている。しかしながら、政党本部・支部を通じて特定の政治家に献金するひも付き献金や、政治資金収支報告書に氏名が記載されない20万円以下の政治資金パーティー券の購入者による献金などの抜け道があるとされる。

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百科事典マイペディアの解説

政治資金規正法【せいじしきんきせいほう】

政党・協会その他の団体や公職の候補者などの受ける寄付・収入および支出を各選挙管理委員会または自治大臣に報告させ,その要旨を公表することにより,政治活動の公明を図り,選挙の公正,民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする法律(1948年制定)。
→関連項目国民協会選挙制度審議会

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大辞林 第三版の解説

せいじしきんきせいほう【政治資金規正法】

政党その他政治団体の政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする法律。1948年(昭和23)制定。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

政治資金規正法
せいじしきんきせいほう

政治資金の収支の公開や授受の規正等について定めた法律。昭和23年法律第194号。政治資金の問題はつねに水面下にあり、利権の絡んだ政治腐敗を伴いやすい。政党、政治団体および公職(この場合、国会議員、地方議員、自治体の首長をさす)の候補者の政治活動の公明を図り、選挙の公正を確保するためには、会社その他の団体が行う政治活動に関する寄付を制限する必要がある。また、政治資金の調達方法のあり方、透明性、さらには政治資金規正についての実効性の確保が必要となる。民主政治の健全な発達に寄与することを目的に、これを体系的に定めたのが1948年(昭和23)制定の政治資金規正法である(以下「規正法」という)。[吉田善明]

規正法改正の背景と主旨

「規正法」は資金の授受そのものを規正するのではなく、収支の届出と公開に重点を置いて所期の目的を達しようとしていたが、汚職、疑獄事件は後を絶たなかった。共和製糖事件など一連の黒い霧事件の後を受けた1966年(昭和41)第五次選挙制度審議会は、個人、会社、労働組合その他の団体の寄付を厳しく規正するよう答申した。金権政治に対する国民の批判が高まるなかで、三木武夫内閣は1975年に法律を全面的に改正し、政治団体の届出、資金の収支の公開および授受の規正によって、政治活動を国民の不断の監視と批判の下に置こうとした。改正法の主旨は、(1)寄付限度額の設定、(2)寄付・会費の公開、(3)個人の寄付に対する税法上の優遇措置にあった。その後1980年改正で政治家個人の報告を義務づけたが、政治団体の実態が明らかにされない、賄賂(わいろ)性をもった政治資金追放の機能がない、政治家個人の政治資金規正があいまいであるなど、「ざる法」との批判があった。またこの法律は営利法人たる会社が寄付することを当然のこととしており、1970年の八幡(やはた)製鉄事件最高裁判所判決も会社の政治献金を是認したが、営利法人が政治活動を行うことができるのか、それは国民の参政権を侵害するのではないかという疑問が向けられていた。
 また、1994年(平成6)に資金調達のあり方、透明性について大幅な改正がなされ、その後も改正がたびたび行われてきたが、いまだに資金調達のあり方が問われ、その解決策として会社、団体の政治献金の禁止を改正法に盛り込む動きがあるが、実現をみていない。[吉田善明]

規正法のおもな内容


(1)各団体の届出義務 「規正法」は、政治団体(政党を含む)の政治資金の収支に関する目的と基本理念を定めるほか、本法の対象となる政党、その他の政治団体および公職の候補者の概念を定める。そして、これらの政党をはじめとする政治団体に対し、その名称、代表者の氏名など、一定の届出義務を課している。いいかえれば、一定の届出を行わない未届の政党や、その他の政治団体に対しては、いかなる名義をもってしても政治活動に関する寄付を受けたり、資金の支出をしたりすることを禁止している。
(2)資金管理団体の届出 公職の候補者は、資金管理団体を1団体のみ指定して、その団体から政治資金の拠出を受けることができる。このように公職候補者の政治資金を受ける団体を制限している。
(3)収支報告書 総務大臣または都道府県選挙管理委員会は、政治団体および特定公職の候補者から提出された収支報告書の要旨を公表し、かつ、収支報告書の保存を総務省および都道府県選挙管理委員会に義務づけ、何人(なんぴと)に対しても閲覧の請求に応じなければならない。また、政党および政治資金団体(政党のために資金上の援助をする目的をもつ、政党が指定した団体)の公開基準は年間5万円を超える寄付、および政治資金集めの手段の一つである政治パーティーの収入については、同一の者の一つのパーティー券購入額が20万円を超える場合は氏名、寄付の金額等が公開される。なお、国会議員(候補者も含む)が代表者である政治団体や後援会など(国会議員関係政治団体という)は、1万円以下の支出(人件費を除く)も公開対象となっている。
(4)寄付の制限 会社、団体の政治活動に関する寄付は、政党および政治資金団体に限られている。政党および政治資金団体に対する会社、団体および個人などによる寄付については年間の限度額を設け、その限度額を超える寄付の授受を禁止している。ただし、国または地方公共団体からの補助金や出資などを受けている会社、その他の法人の寄付、赤字会社の寄付、外国人、外国法人などからの寄付および匿名の寄付について、その授受を制限または禁止し、寄付を斡旋(あっせん)する場合の方法についても制限を加えている。
(5)罰則規定 届出前の寄付の受領または支出の禁止違反、会計処理に係る規制違反、収支報告書の提出の遅滞、その他の規制違反について罰則を科し、また一定期間の選挙権、被選挙権を剥奪(はくだつ)する規定をおいている。
 また、1994年(平成6)の規正法の改正とあわせて政党助成法が制定された。[吉田善明]

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世界大百科事典内の政治資金規正法の言及

【政治資金】より

… 政治資金の問題はつねに水面下で行われており,利権と結びついて政治的腐敗がともないやすい。そこで〈政党,協会その他の団体等の政治活動の公明を図り,選挙の公正を確保し,以て民主政治の健全な発達に寄与することを目的〉として,1948年に〈政治資金規正法〉が制定された。しかし,このような法律だけでは政治活動の公明性は期待できるものではない。…

※「政治資金規正法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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