コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

都市社会主義 とししゃかいしゅぎ municipal socialism

2件 の用語解説(都市社会主義の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

都市社会主義
とししゃかいしゅぎ
municipal socialism

19世紀末に産業の公有,特に市有化を主張したイギリス起源の思想と運動。フェビアン派のウェッブ夫妻らによって主張された。都市における土地,産業を公有化し,従来個人所有者が独占していた超過利潤を社会全体の利益のために用い,資本主義的生産の営利主義に代る消費者本位の実質主義の経済秩序をうちたてるという理念のもとに,フェビアン派によってガス,水道が公共事業として実現された。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

都市社会主義
とししゃかいしゅぎ
municipal socialism

近代産業の発達に伴い激化する労働問題貧困問題都市問題という社会問題を改良する一手段として、19世紀末に主張された社会主義思想と運動。イギリスのウェッブ夫妻を指導者とするフェビアン主義によって代表される。市政改革の一環として、電気、ガス、水道、都市交通機関などの公益事業の公有化や保健、衛生、教育の公営などが主張され、グラスゴーバーミンガムなどの工業都市で部分的には実行された。生産手段の所有、生産の決定、指揮および経営の職分掌は、消費者ならびに市民の民主制にゆだねられることによって初めて能率の保持、社会的利益の保護が得られるという観点から、地方自治体社会改良の主体として期待され、このような公共事業の市有・共有あるいは市営を通じて、市民の公約的な利益にサービスしていくという方法によって漸進的に社会主義の実現が図られた。
 わが国においては片山潜(せん)が、都市問題の解決を市民の自治に求め、市民の市政参加を主張するなかで、選挙権の拡大(普通選挙権)とともに、公共事業の市有・公有を要求した。「斯(この)問題を討究研鑽(けんさん)するに従ひ、愈々(いよいよ)余をして都市問題の解決は、社会主義に依(よ)らざるべからざるを悟らしめた」(『都市社会主義』1903)。安部磯雄(あべいそお)が『都市独占事業論』(1911)において強調したのも市営事業の実現であった。[村上義和]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

都市社会主義の関連キーワード悪魔主義工業計測水雷艇丹絵公有市有パビア大聖堂吸血鬼は世紀末に翔ぶ資本節制産業公有化

今日のキーワード

日本政策投資銀行

1999年に日本開発銀行と北海道東北開発公庫を統合し、発足した政府系総合政策金融機関。一般の金融機関が行なう金融などを補完・奨励し、長期資金の供給などを行ない、日本の経済社会政策に金融上で寄与していく...

続きを読む

コトバンク for iPhone