都道府県制(読み)とどうふけんせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「都道府県制」の意味・わかりやすい解説

都道府県制
とどうふけんせい

普通地方公共団体のうち、基礎的な地方公共団体である市町村に対し、市町村を包括する広域の地方公共団体の制度(地方自治法1条の3第2項、2条5項)。都・道・府・県からなる都道府県制の区分は、主として沿革上の理由によるもので、現行の地方自治法上、その組織権能などについて基本的な差違はない。また、都道府県は市町村と同様、同等に位置づけられており、上下の関係にあるわけではない。都道府県はその位置づけから、市町村の区域を超えて、広域にわたり処理することが必要な事務(広域事務)、国と市町村との間の連絡や市町村相互間における連絡調整に関する事務(連絡調整事務)、および、一般の市町村が処理するにはその規模からいって負担が大きすぎる事務(補完事務)の3種類の事務を処理する(地方自治法2条5項)。なお、都の区域の一部については、市町村が置かれず、特別地方公共団体たる特別区が置かれるが、同区域については都が市町村と同様の事務を処理する場合がある。

 2010年時点で、1都1道2府43県よりなる。

[福家俊朗・山田健吾]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「都道府県制」の解説

都道府県制
とどうふけんせい

近代以降の地方制度。1871年(明治4)の廃藩置県により3府302県が成立,88年までに3府43県に統合された。78年の府県会規則制定によって,府県はそれまでの行政区画から民意に配慮した自治体化の道を踏み出し,90年には府県制の成立をみた。しかし依然として府県知事は官選で,府県会内務大臣知事の強力な統制・監督下におかれた。府県会の選挙権も大地主らに制限され,99年までは複選制であった。北海道制は86年に開始されたが,自治体化は遅れた。大正末期以降選挙権の拡大がみられたが,第2次大戦の戦時体制下には東京都制の施行をはじめ自治性は後退した。戦後の1947年(昭和22)に地方自治法が公布され,再び民主化が進展した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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