都都古別神社(読み)つつこわけじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「都都古別神社」の意味・読み・例文・類語

つつこわけ‐じんじゃ【都都古別神社】

[一] 福島県東白川郡棚倉町棚倉にある神社。旧国幣中社。祭神は都都古和気神(味耜高彦根(あじすきたかひこねのみこと))、日本武尊(やまとたけるのみこと)。日本武尊が東征のときに都都古山(建鉾山)に創祀されたと伝えられる。大同二年(八〇七)現在地に社殿造営。陸奥国一宮と伝えられる。近津大明神馬場明神。
[二] 福島県東白川郡棚倉町八槻大宮にある神社。旧国幣中社。祭神、由緒は(一)に同じ。古来道路守護神として名高く、近津(千勝)明神、近津上ノ宮とも称され、茨城県久慈郡の近津中ノ宮・下ノ宮とともに近津三所明神といわれる。陸奥国の一宮と伝えられる。

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デジタル大辞泉 「都都古別神社」の意味・読み・例文・類語

つつこわけ‐じんじゃ【都都古別神社】

福島県東白川郡棚倉町馬場にある神社。主祭神は都都古別神(味耜高彦根命あじすきたかひこねのみこと)で日本武尊やまとたけるのみこと配祀
福島県東白川郡棚倉町八槻にある神社。祭神はと同じ。

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改訂新版 世界大百科事典 「都都古別神社」の意味・わかりやすい解説

都都古別神社 (つつこわけじんじゃ)

福島県東白川郡棚倉町馬場に鎮座の社と,同町八槻大宮に鎮座の社とがあり,ともに旧国幣中社で,味耜(鉏)高彦根(あじすきたかひこね)命を主神とし,日本武(やまとたける)尊を配祀する。延喜の制で名神大社とされ,のち陸奥国一宮と称されたのは1社であり,いつ現在のように2社となったか不明であるが,中世後半のことかとみられる。いずれも創建年代不詳,日本武尊東征伝承に関連する伝承をもつが,馬場に鎮座の社は807年(大同2)坂上田村麻呂が社殿造営,以後武将崇敬をうけたと伝え,例祭は9月12日。八槻に鎮座の社は,祭神は東国開拓の神と伝え,同じく武将の崇敬をうけて,例祭は旧11月1日,ほかに旧11月1日より5日までの霜月祭種子交換祭)など特殊神事が多い。
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百科事典マイペディア 「都都古別神社」の意味・わかりやすい解説

都都古別神社【つづこわけじんじゃ】

福島県棚倉町に鎮座する旧国幣中社。(1)同町棚倉に鎮座。祭神は都都古和気神(味耜高彦根(あじすきたかひこね)命)と伝える。旧国幣中社。平安初期の創建という。例祭は9月12日。ほかに田植祭(6月中旬)がある。(2)同町八槻に鎮座。祭神はアジスキタカヒコネノミコトで大国主命の子とされる。延喜式内の名神大社とされ,陸奥(むつ)国の一宮。旧国幣中社。例祭は11月1日。古例祭(旧11月1〜5日)は霜月祭,種子交換祭とも。新穀の種子をわらづとに包んで奉納し,翌年の種子一包を借り受ける。両社の分摂の事情は不明。

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