旧暦11月に行われる祭りの総称。稲の収穫祭で,民間の新嘗祭といえるが,祭りが実際の収穫期より1ヵ月ほど遅いのはこの間物忌(ものいみ)に服するためと説明されている。北九州の丑の日祭,奥能登のアエノコト,天草や長島の山祭,中国地方の先祖講,ダイジョウ講のほか,各地の氏神祭や大師講などが代表的なものといえる。また三遠信の国境地帯の遠山祭,冬祭,花祭や秋田県保呂羽(ほろは)山の霜月神楽のように神楽形式の祭りを行う場合も多い。南島の霜月祭,冬折目は本土とは異なり,里芋,甘藷,山芋など芋類の収穫祭となっており,より古い形ではないかとみられている。霜月祭は一年最後の祭りで,最初の二月祭と対応しており,一年のしめくくりであるとともに,年間の穢(けがれ)をはらって新しい年を迎えるという再生の意味も有しており,このため強い物忌の伴ったものが多い。
執筆者:宇野 正人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
旧暦11月に行われる祭り。宮廷では新嘗祭(にいなめさい)があり、また各地の神社では霜月神楽(かぐら)が行われる。農家ではイネの収穫祭にあたる。期日は地方によって一定しないが、北九州では霜月の初丑(はつうし)の日を「丑の日どん」といって、イネの束を臼(うす)の上にのせて田の神とし、供物をあげて家々で祭る。中国地方の日本海側から近畿、関東、東北の広い地域では、23日か24日が霜月祭で、大師とよばれる尊い旅人が村々を訪れる日だという。大師様は片足が悪く、吹雪(ふぶき)の日に雪に大小の足跡を残すとか、この日につくる小豆粥(あずきがゆ)を大師粥とか霜月粥とかいい、長い箸(はし)を添えるなどの伝承が広く分布している。
[井之口章次]
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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