酒は百薬の長(読み)サケハヒャクヤクノチョウ

デジタル大辞泉 「酒は百薬の長」の意味・読み・例文・類語

さけ百薬ひゃくやくちょう

《「漢書食貨志から》酒はほどよく飲めば、どんな薬よりも健康のためによい。

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精選版 日本国語大辞典 「酒は百薬の長」の意味・読み・例文・類語

さけ【酒】 は 百薬(ひゃくやく)の長(ちょう)

  1. 酒は適量に飲めば、多くの薬以上に健康のためによい。
    1. [初出の実例]「そもそも酒は百薬のちゃうとして、寿命をのぶ」(出典:虎明本狂言・餠酒(室町末‐近世初))
    2. [その他の文献]〔漢書‐食貨志・下〕

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故事成語を知る辞典 「酒は百薬の長」の解説

酒は百薬の長

酒は、適量であれば健康にとてもよい、ということ。酒をたたえることば。

[使用例] ジグスのように、パンのし棒でのされるにしても、あのように朗に飲めるのならば、酒は確かに百薬の長だが[葉山嘉樹氷雨|1937]

[由来] 「漢書―食貨志・下」の一節から。紀元前一世紀の終わり、前漢王朝から皇帝の座を奪い、しんという王朝を創始したおうもうは、大臣の意見に従い、酒を国家の専売制としました。ところが、かえって中間での搾取がはびこり、民衆を苦しめる結果となります。そこで王莽は、改めて命令を下して、専売制を強化して中間搾取を排除しようとしました。「酒は百薬の長(酒は、あらゆる薬の中で、最もよく効く薬である)」は、その際の命令の中にあることば。しかし、この命令も実効を挙げることはなく、民衆はますます苦しむことになったのでした。

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ことわざを知る辞典 「酒は百薬の長」の解説

酒は百薬の長

酒は、どんな薬にもまして優れた薬である。酒は、適量を飲めば身心の健康にきわめてよい。

[使用例] ジグスのように、パンのし棒でのされるにしても、あのように朗らかに飲めるのならば、酒は確かに百薬の長だが[葉山嘉樹*氷雨|1937]

[解説] 「漢書―食貨志下」に「それ塩は食肴の将、酒は百薬の長」とみえ、その前段には酒の害についても触れられています。酒は古くから祭祀療養と不可分のもので、日常的に多量に飲むものではありませんでした。今日、このことわざの解説に「適量ならば」とか「楽しく飲めば」というような限定が付されるのも、ここに由来します。また、「徒然草―一七五」では「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」といっています。

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