酢酸アルミニウム(読み)サクサンアルミニウム(英語表記)aluminum acetate

デジタル大辞泉 「酢酸アルミニウム」の意味・読み・例文・類語

さくさん‐アルミニウム【酢酸アルミニウム】

水酸化アルミニウム酢酸で溶かして作る、やや酢酸臭のある無色粉末媒染剤防水剤として使用化学式Al(CH3COO)3

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精選版 日本国語大辞典 「酢酸アルミニウム」の意味・読み・例文・類語

さくさん‐アルミニウム【酢酸アルミニウム】

  1. 〘 名詞 〙 ( アルミニウムは[英語] aluminium ) アルミニウムの酢酸塩。化学式 Al (CH3COO)3 白色無定形の粉末。〇・五、一、一・五、二、二・五水塩がある。水酸化アルミニウムを酢酸で溶かしてつくる。媒染剤として多量に用いられるほか、赤色レーキ原料防水剤などとされる。また、水溶液消毒剤などの医薬品洗浄剤防腐剤などに利用。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「酢酸アルミニウム」の意味・わかりやすい解説

酢酸アルミニウム
さくさんあるみにうむ
aluminum acetate

酢酸とアルミニウムがつくる塩。正塩Al(CH3COO)3、分子量204.12のほかに、塩基性塩Al(OH)(CH3COO)2、分子量162(各種の結晶水をもつ)がある。普通、酢酸アルミニウムというと、塩基性酢酸アルミニウムをさすことが多い。市販のものは塩基性のもので、水和物も知られている。やや酢酸臭をもつ白色結晶状粉末。水に難溶。空気中では徐々に酢酸を失って分解する。媒染剤として用いられるほか、繊維の防水・耐水加工用に用いられる。医用としては、湿疹(しっしん)および潰瘍(かいよう)の乾燥剤、消毒剤として用いられたことがある。

 正塩は白色無定形粉末。200℃で分解する。水に易溶。湿った空気中では分解しやすい。

[佐藤武雄・廣田 穰]

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化学辞典 第2版 「酢酸アルミニウム」の解説

酢酸アルミニウム
サクサンアルミニウム
aluminium acetate

Al(CH3COO)3(204.11).正塩のほかに各種の塩基性塩がある.正塩は水酸化アルミニウムと酢酸の反応で得られる.白色の無定形粉末.200 ℃ で分解する.水に易溶だが,加水分解しやすく,しだいに水酸化物が沈殿する.酢酸アルミニウム水溶液を加熱蒸発するとAl(CH3COO)2(OH),Al2(CH3COO)4Oなどの塩基性塩が沈殿する.Al(CH3COO)2(OH)は白色の無定形粉末.通常,酢酸アルミニウムと称するものは,このものをさすことが多い.水に難溶.各種の水和物がある.媒染剤,赤色レーキの原料,防腐剤,防水剤,医薬品(収れん剤)などに用いられる.[CAS 142-03-0:Al(CH3COO)2(OH)]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酢酸アルミニウム」の意味・わかりやすい解説

酢酸アルミニウム
さくさんアルミニウム
aluminum acetate

化学式 Al(CH3CO2)3 。アルミニウムエトキシドと酢酸とを反応させてつくる。正塩と塩基性塩とがある。白色,無定形の粉末で水に溶けやすく,防水布,医薬,捺染,死体の防腐・保存剤などに広く使われる。

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