野上俊夫(読み)のがみとしお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「野上俊夫」の意味・わかりやすい解説

野上俊夫
のがみとしお
(1882―1963)

心理学者。新潟県佐渡の生まれ。1906年(明治39)東京帝国大学文科大学哲学科(心理学専修)卒業。同窓に日本保育学会初代会長となった教育者の倉橋惣三(そうぞう)(1882―1955)がいる。1906年松本亦太郎(またたろう)が京都帝国大学に心理学科を開設した当初からこれを助けて種々の講座を担当。講師を経て助教授となり、欧米留学ライプツィヒ大学ではW・ブントに師事し、アメリカに渡って帰国後、教授となり、のち文学部長となる。英独仏の語学に優れ、G・S・ホール学風を受け、広く人間性の具体的事実について地道な研究を行い、成長期の日本心理学に貢献した。著書共著『実験心理学講義』(1909)や『青年の心理と教育』(1936)などがある。

[宇津木保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「野上俊夫」の解説

野上 俊夫
ノガミ トシオ

明治〜昭和期の青年心理学者



生年
明治15(1882)年5月2日

没年
昭和38(1963)年5月24日

出生地
新潟県

学歴〔年〕
東京帝大文科大学哲学科〔明治39年〕卒

学位〔年〕
文学博士〔大正7年〕

経歴
京都帝大講師、助教授、大正6年教授、文学部長を歴任、昭和17年退官、名誉教授。以後浪速大学、京都女子大学各教授。米国の青年心理学者スタンレー・ホールのわが国の継承者で、「具体的人性の研究」「実験心理学講義」(共著)「青年心理学講話」「道徳思想の発達」「女子最新教育学」「青年の心理と教育」などの著書がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「野上俊夫」の解説

野上俊夫 のがみ-としお

1882-1963 明治-昭和時代の心理学者。
明治15年5月2日生まれ。京都帝大教授,のち浪速大,京都女子大の教授。アメリカの青年心理学者スタンリー=ホールの影響をうけ,実際的な心理学をめざした。昭和38年5月24日死去。81歳。新潟県出身。東京帝大卒。著作に「実験心理学講義」(共著),「青年の心理と教育」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「野上俊夫」の解説

野上 俊夫 (のがみ としお)

生年月日:1882年5月2日
明治時代-昭和時代の青年心理学者。京都帝国大学教授;京都女子大学教授
1963年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android