野上八幡宮
のかみはちまんぐう
[現在地名]野上町小畑 宮
貴志川右岸の丘陵南麓に鎮座する。祭神は応神天皇・神功皇后・玉依姫。旧県社。近世野上荘二七村のうち野上新荘三村を除く二四村の産土神。「紀伊国名所図会」に「境内山林神々しく近郷の大社なり」とあり、「続風土記」には「社地方二町山林周二十八町」とある。
〈大和・紀伊寺院神社大事典〉
〔石清水八幡宮別宮〕
創建については社蔵の八幡宮歴代記・八幡宮縁起に神功皇后駐蹕の地として欽明天皇の代に造営とあり、「続風土記」にもこれに従ったと思われる記述があるが、いずれも口伝による近世初期の記録で裏付はない。延久四年(一〇七二)九月五日の太政官牒(石清水文書)に山城石清水八幡宮領として野上荘があげられており、同牒所引の治安二年(一〇二二)の牒により野上荘が石清水八幡宮護国寺の根本荘園として平安時代中期には成立していたことがわかるが、同文中に「別宮西東弐段」とあり、すでに当時石清水八幡宮別宮が建立され、野上荘の中心となっていたことが知られる。
古くは神事を行う検知職が石清水八幡より任命され、荘園の管理にもあたっていたといわれる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
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