野砲(読み)ヤホウ

デジタル大辞泉 「野砲」の意味・読み・例文・類語

や‐ほう〔‐ハウ〕【野砲】

野戦用の大砲の一。一般に、歩兵支援用の口径75~105ミリの榴弾砲をいう。

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精選版 日本国語大辞典 「野砲」の意味・読み・例文・類語

や‐ほう‥ハウ【野砲】

  1. 〘 名詞 〙 野戦砲一種。師団の編制内で歩兵支援用に用いられる口径七五ないし一〇五ミリメートルの榴弾砲。砲兵の標準主力火砲
    1. [初出の実例]「南軍機を見て野砲(ヤホウ)山砲に命じ透間もあらせずつるべ放てば」(出典風俗画報‐五四号(1893)陸軍特別大演習之記)

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百科事典マイペディア 「野砲」の意味・わかりやすい解説

野砲【やほう】

野戦部隊の主火砲。歩兵と協同して戦闘することが多いので,動きが軽快で,多数弾薬もち,長射程で,発射速度の大きいことなどが要求される。カノン砲の一種で,口径7〜8cm,弾量6〜7km,最大射程は8000〜1万5000m。重量は2t程度で以前は馬で,今日では自動車で引いて運ぶ。
→関連項目高射砲大砲

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「野砲」の意味・わかりやすい解説

野砲
やほう
field gun

野戦砲とも呼ばれる。野戦に使われるすべての火砲。要塞砲海岸砲のように固定されて使われる砲と区別され,移動性を特徴とする。大砲を装輪砲架に載せ馬で引かせるようにしたのは,15世紀フランスのシャルル8世で,この馬曳砲兵の威力でもって,彼はナポリ征服戦争に成功し,歩兵や騎兵と対応する野砲が生れた。これをさらに近代化したのはスウェーデングスタフアドルフ (グスタフ2世 ) で,彼は野砲を 24ポンド,12ポンド,3ポンドの3種類に統一し,装薬も規格化し,戦場でこれらの野砲を大量,集中的に使用した。歩兵,騎兵,野戦砲兵を総合的に駆使する近代戦術がここに誕生した。

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世界大百科事典(旧版)内の野砲の言及

【大砲】より

…17~18世紀には大砲の構造の統一・画一化が推進された。この時期に山砲,野砲,要塞砲等の使用目的による区別が生まれ,砲身長と弾道に応じてカノン(加農),榴弾,臼砲の基本的分類がはじめてなされた(図2)。19世紀後半になって,14世紀以来の弾丸を砲口から装塡する前装式滑腔砲から後送式旋条砲に改革された。…

※「野砲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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